icon fsr

雑誌目次

論文

臨床検査38巻2号

1994年02月発行

雑誌目次

今月の主題 生物・化学発光計測 カラーグラフ

生物医学分野での極微弱光イメージング

著者: 杉山浩史

ページ範囲:P.139 - P.141

総説

生物発光の種類と特徴

著者: 磯部稔 ,   高橋宏幸

ページ範囲:P.142 - P.149

 生物発光現象は,今やATP定量などの"生化学試薬"として広く利用される段階に入り,もはやその利用に生物を感じることはない.しかし,その基本となる発光現象の解明には多大な努力がなされてきた.ホタル,エクオリン,発光バクテリアなど,すでに実用段階にある生物発光系で,基本事項を概説する.さらに,現在進行中の生物発光研究(トビイカの発光機構,ホタル発光系を用いた酵素系新検出法)に関して,実例を挙げて解説を行った.〔臨床検査38:142-149, 1994〕

化学発光概論

著者: 三田智文 ,   今井一洋

ページ範囲:P.150 - P.154

 化学発光は,化学反応により分子が励起されて励起状態となり,そこから基底状態に戻る際に光を放つ現象である.化学発光を用いた分析系は,ルミノールを利用した血痕の鑑定などが古くから行われてきたが,近年,過シュウ酸エステル化学発光などの系を用いて,10-15molあるいは10-18molの範囲までの分析が可能となり,感度が高いために,生体内および環境中の超微量物質の検出に利用されるようになっている.また,免疫化学的測定法との組み合わせによる化学発光イムノアッセイも開発されており,今後,生命化学,臨床化学,環境化学などの分野をはじめ,広い分野で化学発光がますます利用されていくものと思われる.〔臨床検査38:150-154,1994〕

フォトン検出器とフォトンイメージング

著者: 早川毅

ページ範囲:P.155 - P.161

 光計測は,近年バイオメディカル分野でますます重要性を増してきている.微量生体物質の検出・定量のためには微弱光検出技術の応用が必要であり,そのためには光検出をフォトン(光子)の視点からみると本質的かつ便利である.ここでは光計測の最も特徴的なフォトンカウンティングを時系列的に,また二次元的に行う基本的な光検出器についてその構成と機能を概説した.〔臨床検査38:155-161,1994〕

技術解説Ⅰ:計測系

化学発光の増強

著者: 辻章夫

ページ範囲:P.162 - P.166

 ペルオキシダーゼ―過酸化水素―ルミノール系の化学発光の種々の増強剤が開発されている.ベンゾチアゾール誘導体,フェノール誘導体,ヒドロキシアリリデン誘導体,4―(4―ヒドロキシフェニル)チアゾールなど種々のエンハンサーにより発光が増強され,かつ持続性となる.また,アルカリホスファターゼの化学発光性基質のアダマンチルジオキセタン誘導体の化学発光に対するエンハンサーも開発されている.〔臨床検査38:162-166,1994〕

リガンドアッセイ

著者: 笠原靖

ページ範囲:P.167 - P.175

 リガンドアッセイというと,臨床検査では免疫測定法に代表される.本稿ではリガンドアッセイの反応原理の概要を述べたほか,リガンドとしてホルモン―レセプター,レクチン,糖鎖に加え,DNA関連リガンドとしてDNAハイブリダイゼーション,DNA―結合蛋白などの可能性について紹介した.〔臨床検査38:167-175,1994〕

オプティカルバイオセンサ

著者: 相澤益男

ページ範囲:P.176 - P.182

 オプティカルガスセンサ,イオンセンサ,バイオセンサの臨床検査への応用が注目されるようになった.特に生物・化学発光を利用した免疫センシング,DNAセンシングの今後の展開が注目される.〔臨床検査38:176-182,1994〕

固定化酵素発光分析

著者: 田畑勝好

ページ範囲:P.183 - P.189

 固定化酵素カラムと化学発光法を組み込んだFIAシステムを用いての臨床化学分析は,繰り返し測定,短時間での高感度分析を可能にし,体液成分による妨害反応もほとんど認められなかった.ルミノール化学発光法で直接測定できる物質はH2O2だけであった.筆者らが発見した酵素カラムを用いると,NH3やNAD (P) Hまでもが化学発光法で測定できるようになった.今では10μlの試料を用いると,0.1μmol/lまでの濃度を持つ体液成分の測定が可能である.〔臨床検査38:183-189,1994〕

技術解説Ⅱ:発光系

ルシフエリン―ルシフエラーゼ系

著者: 村上成治 ,   前田昌子 ,   辻章夫

ページ範囲:P.190 - P.195

 近年,組み換え体ルシフェラーゼの生産が可能となり,大量生産されたルシフェラーゼの発光反応を利用する各種分析法が報告されている.その中で,ホタルルシフェラーゼの発光系と安定なATP産生酵素を組み合わせた分析法が開発され,甲状腺刺激ホルモン,ヒト絨毛性性腺刺激ホルモン,17-αヒドロキシプロゲステロンの生物発光酵素免疫測定法に応用された.それぞれの検出限界は0.006 μIU/ml,0.003mIU/ml,0.5pg/mlと高感度な測定法であることが示された.〔臨床検査38:190-195,1994〕

ルシゲニン系

著者: 前田昌子 ,   辻章夫

ページ範囲:P.196 - P.200

 ルシゲニンは古くから知られている化学発光性の化合物で,アルカリ性のとき過酸化水素や還元性化合物の存在で化学発光する.このルシゲニンの化学発光反応を用いるアルカリホスファターゼの酵素活性測定法と,そのイムノアッセイへの応用について解説する.〔臨床検査38:196-200,1994〕

ルミノール系

著者: 戸谷誠之

ページ範囲:P.201 - P.203

 化学発光物質として広く知られているルミノールとその類縁物質について,その化学構造,ならびに反応機構に関しての特徴を概説した.また,これらの物質の臨床検査を目的とした使用上要点を細胞機能検査と,臨床化学検査の高感度化を例に述べる.さらに,エンハンスト化学発光法についても概略を述べる.〔臨床検査38:201-203,1994〕

アクリジニウム・エステル系

著者: 樋口義典

ページ範囲:P.204 - P.208

 アクリジニウム・エステルを標識体とした化学発光免疫測定法について述べる.アクリジニウム・エステルの特長,その特長を生かすための2点較正法や鉄微粒子固相をいち早く取り入れた"ケミルミ®"システム,その全自動タイプの測定機器ACS:180による測定概略について説明する.〔臨床検査38:204-208,1994〕

アダマンタン系

著者: 岡田政久

ページ範囲:P.209 - P.214

 アダマンタン系ジオキセタン化合物の化学発光には,熱分解に伴う発光をはじめとして化学反応(ケミカルトリガー)から酵素触媒反応(エンザイムトリガー)によって生じる化学発光が知られている.最近,ジオキセタン骨格アダマンチル基とメトキシ基およびフェノールリン酸エステル基とに挟まれた化合物AMPPD〔3-(2-スピロアダマンタン)-4-メトキシ-4(3″-ホスフォリールオキシ)-フェニル-1,2ジオキセタン〕がアルカリホスファターゼ(ALP)の基質として合成され,常温での高い安定性ならびに発光制御のしやすさからこれを用いたエンザイムトリガーによる発光測定技術が,臨床検査において実用化されている.〔臨床検査38:209-214,1994〕

その他の発光系

著者: 中島憲一郎

ページ範囲:P.215 - P.219

 過シュウ酸エステル化学発光は,シュウ酸誘導体と過酸化水素から生じる活性中間体で共存する蛍光物質を励起させて得られる発光であり,蛍光物質や過酸化水素の高感度定量に適している.また過酸化水素を生じる酵素反応の活性測定や基質の定量にも用いることができる.ロフィンやインドールの誘導体は,酸化により生じるヒドロペルオキシドがジオキセタン構造を経て分解する際に発光すると考えられている.発光バクテリアやエクオリンの生物発光は,種々の生体成分やカルシウムイオンの微量分析にそれぞれ利用できる.〔臨床検査38:215-219,1994〕

座談会

生物・化学発光の将来展望

著者: 相澤益男 ,   網野信行 ,   中野稔 ,   早川毅 ,   辻章夫

ページ範囲:P.220 - P.231

 近年,臨床分析化学の分野での生物・化学発光の進歩には著しいものがある.生化学試薬として実用段階に入ったルミノール,ルシフェリン系を皮切りに,生物発光系でも実用化への努力が続けられている.また,臨床検査の現場では化学発光イムノアッセイの全自動測定装置が導入され,将来はますますその比重が増すものと思われる.
 今回は,生物・化学発光系に各分野で携わる研究者に,現在の状況や将来展望に至るまでを活発にお話しいただいた.

ひと―ベノジェクトⅡリレー訪問

大久保 昭行

著者: 土田一男

ページ範囲:P.130 - P.131

 せっかちで,1つのことに,じっくり取り組めない,いわゆるおっちょこちょいの性格で,研究者としての資質に欠けると感じております.これまでなんとかやってきたのは,周囲に良い協力者がいたおかげだと感謝しています.
 夏目漱石の「ぼっちゃん」の主人公に共感を覚えており,後から"あの時もう少し柔軟な態度を取っていればよかったなあ"と悔やむことがしばしばあります.

今月の表紙 臨床細菌検査

Gardnerella vaginalis

著者: 猪狩淳

ページ範囲:P.132 - P.133

 G.vaginalisはGardnerell属に属する.以前はCorynebacterium属やHaemophilus属に含まれていたが,1986年版のBergey's Manualでは,Pickett, Greenwoodにより,細胞壁の成分,X因子やV因子を要求しないこと,G+C%の違いなどから,新しくGardnerella属に分類され,新しくG.vaginalisと名称を変えた.
 本菌はグラム染色に陰性か,あるいは弱い陽性を示し,グラム染色性は明確ではない短桿状の菌である.培養は血液寒天培地を用い炭酸ガス(5~7%)下で24時間以上(48~72時間)培養する.選択培地としてHBT寒天培地(humanblood bilayer-Tween agar)やV寒天培地があり,ヒト血液を用いた場合はβ-溶血を認める.

コーヒーブレイク

中南米の旅から

著者: 屋形稔

ページ範囲:P.175 - P.175

 1993年秋,メキシコ・アカプルコの世界臨床病理学会(WASP)に,15人ほどのツアーに加わって行ってきた.気のおけない人ばかりで実に楽しい旅であった.15年前のブラジル・リオデジャネイロのWASP時の20人ほどのツアーもその後顔を合わすとあんなに楽しい旅はなかったと述懐する人が大部分であったが,今回もそれに匹敵するものであった.亡くなった松村義寛先生や今もお元気な石井暢先生など,当時えらく老けたリーダー格に見えたが,今回の私なども秋田の藤田(花園),小川(横手)氏などの若手からは長老格に見えたかもしれない.
 それでも街を横切るのもいやになるくらい暑いアカプルコで,美しい椰子の繁るゴルフ場を一緒に駆け廻ってきた.海岸も朝夕の陽に映えた眺めは格別であったが,リオの美にはやや及ばなかった.学会そのものは中南米はいずれものんびりムードで時間などお構いなしであったが,今回WASP会長の河合先生の開会式におけるスペイン語まじりのスピーチは効果的で評判良かった.

V

著者: 吉野二男

ページ範囲:P.214 - P.214

 35mmの幅のフィルムを使う小形カメラが考え出され,名声を得て次々に改良型が出てきました.その型は順次Ⅱ型,Ⅲ型,…と名付けられてきました.名機とされたのは外国製のものではⅢf型,国産機ではⅣ sb型で,そしてⅤ型(5番目の改良型ということ)が出されました.
 これに対して使用者は,アルファベットのVであるとしてヴィ型と呼んだりしたのです.また,人によっては,この製品をもって業界の勝利を得るという,勝利のvictoryのVであると言ったりしました.いずれも,順序を経て研究開発されたという本来の意味からは外れたものです.

目でみる症例―検査結果から病態診断へ・14

放射線甲状腺炎―超音波検査によるアプローチ

著者: 小松誠 ,   小林信や ,   島田寔 ,   菅谷昭 ,   飯田太

ページ範囲:P.233 - P.236

●検査結果●
 皮膚ケロイド部においては明らかなmassを認めなかったが,偶然甲状腺部を観察したところ,甲状腺はその背側の頸長筋との境界が不鮮明であり,右葉厚8mm,左葉厚7mmと左右両葉ともに萎縮していた.また,内部構造は全体として粗造であり,小嚢胞およびエコー輝点が混在していた(図1~4).超音波診断装置は,アロカSSD-650,探触子は7.5MHzメカニカルセクタ型を使用した.

トピックス

心腔内電位図

著者: 笠貫宏

ページ範囲:P.237 - P.239

 心腔内心電図とはカテーテル電極を介して心腔内電位を記録することであり,1969年のHis束心電図の臨床応用に始まるが,現在では徐脈性不整脈のみならず頻脈性不整脈の機序解明,重症度評価および治療において重要な役割を果たしている.本稿ではHis束心電図,心房電位,心室電位およびKent束電位とそれぞれの臨床的意義について概説を加える(表1,図1).

プリオン蛋白

著者: 立石潤

ページ範囲:P.239 - P.240

 遅発性ウイルス感染症といわれたCreutzfeldt-Jakob病(CJD),その遺伝性亜型であるGerst-mann-Sträussler症候群(GSS),ニューギニアのkuru,動物のscrapieなどにはウイルスが証明されず,特異なプリオン蛋白(PrP)が共通に存在することがわかった.そのため,これらの疾患はプリオン病と呼ばれるようになった.ちなみにプリオンとはproteinaceous infectious particleからの造語である.

若年女性に好発する膵SC腫瘍

著者: 諸星利男 ,   浜本鉄也

ページ範囲:P.240 - P.241

 膵SC腫瘍(solid cystic tumor of the pan-creas)はきわめて特異的な膵腫瘍で,近年臨床病理学的に注目されている.すなわち,一般的(通常型)膵癌は高齢男性に好発しきわめて悪性度が高いのに反し,SC腫瘍は,そのほとんどが若年女性に発症し,臨床症状に乏しく,予後はきわめて良好で,術後再発をみることはまずない.本腫瘍はKlöppel,Morohoshiらの報告を契機に広く認知されるに至ったが,超音波検査,X線CTなどの画像診断法の進歩普及に負うところが少なくない.
 大部分(90%以上)は10歳代後半から30歳代の女性に発症し,高齢者や男性例は例外的である.無症候性に経過あるいは軽度の不定な腹部症状を訴え,偶発的に腹部腫瘤を自覚または他覚し,あるいは超音波検査,X線CTで発見される.画像診断的には大型の膵嚢胞性腫瘤(図1)でしばしば石灰化を伴う.血液生化学的に異常はなく,CA 19-9,CEAなど腫瘍マーカーの上昇も認めない.

マスト細胞欠損マウス

著者: 大田健

ページ範囲:P.242 - P.243

1.はじめに
 マスト細胞は,19世紀後半にEhrlichにより発見された細胞で,その細胞質は好塩基性の顆粒に富んでいる.マスト細胞が注目されるようになったのは,1966年石坂らにより免疫グロブリンE (IgE)が発見されてからである.すなわちマスト細胞は,表面に受容体を介して存在するIgE抗体が対応する抗原と結合すると種々の化学伝達物質を遊離し,即時型アレルギー反応を惹起するのである1)
 さらにマスト細胞は,IgEを介したアレルギー反応だけでなく,非特異的な刺激によっても化学伝達物質を遊離し,炎症反応にも関与することが明らかとなった.そして,最近ではマスト細胞がインターロイキン3(IL-3)をはじめとする複数のサイトカインを産生遊離することも報告され,その機能は多岐にわたることが予想されている2).マスト細胞の生体内における起源,分化,役割を明らかにするうえで,マスト細胞欠損マウスは,きわめて有用であり,多くの情報を提供してきた3)

扁平上皮内病変(SIL)

著者: 坂本穆彦

ページ範囲:P.243 - P.244

 扁平上皮内病変(squamous intraepitheliallesion; SIL)は,子宮頸部,腟の扁平上皮のある種の異常を包括する概念で,1988年に提唱されたベセスダ・システム(The Bethesda System;TBS)1)の中で,新しく取り上げられ注目されるようになった.
 従来,この領域の扁平上皮系の異型病変は,WHO分類2),子宮頸癌取扱い規約3)によれば腫瘍ないし腫瘍類縁病変は,異形成(dysplasia),上皮内癌(carcinona in situ),扁平上皮癌(squamous cell carcinoma)に大別され,さらに異形成は軽度(mild),中等度(moderate),高度(severe)に分けられてきた.扁平上皮癌は子宮頸癌取扱い規約では,特にその浸潤の程度の軽微なものを微小浸潤癌(microinvasive carcinoma)としている.

海外レポート

アルバニア社会主義人民共和国―(2)小児科研究棟およびKrujë地区基幹病院を訪ねて

著者: 佐々木禎一

ページ範囲:P.245 - P.247

■はじめに
 鎖国政策を堅持してきた世界の政治的孤児アルバニア社会主義人民共和国(以下アルバニア)の医療の現状と,臨床検査の実態とを知るために,1987年夏同国を訪れた.
 前回1)は,アルバニアの大学病院での臨床検査の関係者との質疑応答と,特別講義をしたときの模様,ならびにSpitali Klinik Nr.1(英訳Clinical HospitalNo.1)の臨床化学検査室の印象について述べた.

研究

酵素法による血清および尿中カルシウム測定法の開発とその日常検査への応用

著者: 中恵一 ,   下條信雄 ,   尾崎幸男 ,   巽典之 ,   谷口健 ,   清水浩

ページ範囲:P.249 - P.254

 α-アミラーゼ(ブタ膵由来)を用いた血清あるいは尿中カルシウムの測定法に対して,詳細な検討を行った.本法はα-アミラーゼに結合するカルシウムをBAPTA〔1,2-bis(o-aminophenoxy) ethane-N,N,N',N-tetra-aceticacid〕でキレートして活性を抑制したところに,検体としてカルシウムを含む試料を添加し,アミラーゼが再活性化するのを測定するものである.アミラーゼ活性と添加されたカルシウム量は0~50mg/dlの範囲で直線関係が得られた.また,再現性も良好であった.従来法であるo-CPC(オルトクレゾールフタレイン・コンプレクソン)法と比較してやや高値を与えたが,その理由はむしろ除蛋白を省略したo-CPC法が蛋白の干渉で低値になっていることが原因と考えられた.

C-11/C-7ブロット法の臨床評価とNANB型肝疾患の臨床像

著者: 柴山隆男 ,   田中慧 ,   田中栄司 ,   清澤研道 ,   小原道法 ,   服部信

ページ範囲:P.255 - P.260

 non A non B型慢性肝疾患を含む各種肝疾患および集団健診受診者1,709例を対象として各種第二世代検査試薬の此較検討を行い,これらの試薬間での成績不一致例に対して,C-11/C-7ブロット法を併用した臨床的検討を行った.C-11/C-7ブロット法は各種第二世代検査試薬とほぼ同等の陽性率であり,しかもC-11抗原およびC-7抗原に対する抗体を個別に半定量的に検出することが可能で,阻害試験の結果からも診断を的確に行うために有用な,感度の良い追加試験であった.

質疑応答 臨床化学

緊急検査における血清酵素測定の精度管理

著者: 池田勝義 ,   森知子 ,   小林利次 ,   N生

ページ範囲:P.261 - P.263

 Q 緊急検査では特に血清酵素の変動が大きく,精度管理が難しいと感じます.何か良い方法をお教えください.

透析患者のカルシウム値

著者: 中西康雄 ,   中山年正 ,   N生

ページ範囲:P.263 - P.265

 Q 臨床医から,ある透析患者のカルシウム値が低すぎる,おかしいのではないか,と言われたので再検査したところ,さらに低い値となりました.原因と対策をお教えください.

その他

マルチメディアとは

著者: 鹿島哲 ,   M生

ページ範囲:P.265 - P.268

 Q マルチメディアという言葉がよく使われていますが,それがどんなもので,医学の分野でどのように役だつのでしょうか.

基本情報

臨床検査

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN 1882-1367

印刷版ISSN 0485-1420

雑誌購入ページに移動

バックナンバー

icon up
あなたは医療従事者ですか?