icon fsr

雑誌目次

論文

臨床検査46巻9号

2002年09月発行

雑誌目次

今月の主題 C反応性蛋白 巻頭言

高感度定量法によるCRP検査の新たな展開

著者: 河合忠

ページ範囲:P.949 - P.950

 CRP(C反応性蛋白)と筆者とのかかわりは,40年余りにもなり,その間に3つの大きな転機を経験している.
 CRPは1930年,Tilet W. R & Francis T. O. によって,肺炎球菌のC多糖体と沈降反応を示す物質として肺炎球菌性肺炎患者血清中に見いだされた.しかし,抗原抗体沈降反応を利用した測定法を初めて報告したのはMacLeod C. M & Avey O. T. で,1941年である.それ以来1970年代まで半定量法としての毛細管法が日常検査に広く使われた.すなわち,ヘマトクリット用毛細ガラス管内で抗CRP抗体試薬と患者血清を等量ずつ混合し,一晩冷蔵庫に保管し,翌日に沈降物の高さから半定量的に-,1+,2+,などとして結果を報告した.

総説

日本人の基準範囲と動脈硬化のリスク度評価

著者: 中村治雄 ,   山下毅 ,   本間優

ページ範囲:P.951 - P.958

 臨床上特に問題のない健常者3,515名について,高感度(hs) CRPを測定した.右へ歪んだ分布を示し,基準値の上限は2.0mg/1と考えられた.喫煙,アルコール,加齢,肥満などにより影響を受け,特に体重増減と密接に連動した.1回の測定値の評価については,高い場合には慎重を要するが動脈硬化のある例では十分評価可能である.動脈硬化のリスクとして1.0~1.6mg/1以上,2型糖尿病発症リスクとして1.5~2.0mg/1以上と考えられる.

CRPの免疫生理活性機能

著者: 伊藤喜久

ページ範囲:P.959 - P.966

 C反応性蛋白(CRP)は,分子量11万の非糖蛋白質で,同一構造のサブユニットの5量体(ホモペンタマー)からなる.その機能はリン脂質と結合して補体古典経路を活性化,あるいはFcγレセプターに直接結合して,免疫担当細胞機能の促進・抑制,生体内の壊死,アポトーシス細胞成分,外来抗原の除去に補助的に作用する.様々な機能を発揮するなかで,基本的には急性炎症期の免疫応答の鎮静化に作用して,innate immunity,im-munosurveillanceの一部を担い,これに引き続く特異的免疫応答への橋渡しにも重要な役割を果たしている.今後,構造特性と機能の関係が注目される.

CRP検査の臨床的意―適応と限界―SAAとの比較対照から

著者: 佐々木毅

ページ範囲:P.967 - P.972

 C反応性蛋白(CRP)検査は急速に普及し,その意義に関する理解も深まり,今や炎症の検査の代表として信頼されている.しかし,ウイルス感染や,小児や高齢者,強い免疫抑制剤使用時の細菌感染症には陽性化しにくい,ある免疫病では活動性指標とはならないなど炎症病態の検索にオールマイティではない.これらの病態把握に有用とされるのがSAA検査である.両者は通常は同様の変化を示すが,SAAのみが著明に変化する病態もある.両者の動態をよく知ることが炎症におけるより適切な診療を行う上で有用な情報となる.

技術解説

リコンビナントCRPの作製と蛋白化学

著者: 松尾雄志 ,   田中俊夫

ページ範囲:P.973 - P.981

 遺伝子組換え技術でリコンビナントプロテインを作製する手法の基本を概説し,次いでヒトC反応性蛋白(CRP)について,分泌酵母での失敗例をもとに得られたEscherichia coliを宿主にした菌体外分泌による成功例を紹介した.また,リコンビナントプロテイン作製におけるE.coliの意味について私見を述べた.

CRP測定の誤差評価法

著者: 桑克彦

ページ範囲:P.982 - P.988

 CRPの測定は従来の急性炎症時のモニタリング以外に,動脈硬化症などの慢性炎症時のマーカーとしても測定される.なかでも冠動脈疾患の予知因子としての測定には,高感度測定法が必須であり,CRP濃度0.1mg/dl付近でCV3%以下の測定精度および検出限界が0.015mg/dl以下が条件となっている.したがって,測定の特性としては,検出限界,正確さ,ポイント誤差評価が重要である。CRP測定では基準測定体系が設定されることから,正確さに関する評価が容易である.

話題

地域一般住民を対象とした高感度CRP疫学調査―Jichi Medical School(JMS)コホート研究

著者: 山田誠史 ,   伊藤喜久 ,   梶井英治

ページ範囲:P.989 - P.993

1.はじめに
 近年,動脈硬化の成立と進展に炎症の役割がクローズアップされている.こうしたなかで,代表的な全身的炎症マーカーであるC-reactive pro-tein(CRP)が脚光をあび,不安定狭心症の予後との関連,基礎疾患をもたない集団での心血管疾患発症あるいは死亡の予測因子であるとする報告が,数多くみられるようになってきている.これらの評価は,日常臨床で利用されている基準範囲の下限値以下の測定レンジの,いわゆる高感度CRP測定法により行われる.
 この高感度測定法による研究報告は,これまで中年男性によるものがほとんどを占め,女性や高齢者を含んだ集団を対象としたものはわずかに散見されるのみである.そこで,われわれは日本人におけるCRPと動脈硬化危険因子との関連について,日本全国にわたり約6,000人の地域住民を対象に,大規模コホート研究を行った1)ので,以下に詳細を示す.

外部精度管理調査にみるCRP測定に関する標準化の現状と将来

著者: 内藤勝人

ページ範囲:P.995 - P.1002

1.はじめに
 1993年,IFCC/LM(International Federation of Clinical Chemistry and Laboratory Medicine)はCAP(College of American Pathologists)およびIRMM(Institute for Reference Materialsand Measurements)に協力を要請し,C反応性蛋白(CRP)など血漿蛋白個別14成分を含有した国際標準品CRM470/RPPHSを作製した1).本品はヒト血清べースに調整されているため被検血清と近似した性状であり,その挙動も一致していることや試料の安定性および安全性が保持されているなど完成度が高いとされている2).わが国においては,1997年に日本臨床検査標準協議会(Japanese Comrnittee for Clinical Laboratory Standards:JCCLS)がIRMMと合意のうえ本品を国内の認証品と位置づけ,IFCC血漿蛋白国際標準品(BCR/CRM470:以下CRM 470)という商品名で日本臨床検査薬協会から頒布された.そして各種の免疫化学的測定法における校正条件の設定原器として活用され,血漿蛋白個別成分の標準化は急速に進展した.なかでも,CRPに関しては日本医師会臨床検査精度管理調査(日医サーベイ)や日本臨床衛生検査技師会臨床検査精度管理調査(日臨技サーベイ)の広域精度管理調査の集計・解析結果から,その効果が客観的かつ視覚的に表現されている3,4).ここでは日臨技サーベイの集計・解析結果を中心に施設間差の状況を考察し,また今後の課題および将来の展望について述べる.

高感度測定法による新生児感染症モニタリング

著者: 嶋田優美 ,   湊通嘉 ,   原田研介

ページ範囲:P.1003 - P.1008

1.はじめに
 新生児の感染徴候の特徴は,主として臨床症状の変化,not doing wellから診断されることが多い.このようなことは特に極低出生体重児で顕著である.新生児科・小児科医にとって感染症を早期に発見し,早期に治療を開始することにより,重症化を予防し,予後を改善することが可能になる.
 C反応性蛋白(CRP)は,新生児においても炎症反応を評価する重要なマーカーである1~3).しかしながら,極低出生体重児,超低出生体重児では,感染症が疑診されているにもかかわらずCRPの上昇が認められない場合にしばしば遭遇する.

CRP・肺クラミジア症・動脈硬化

著者: 高橋伯夫

ページ範囲:P.1009 - P.1013

1.動脈硬化とCRP
 動脈硬化に基づく虚血性心疾患患者群,特に急性心筋梗塞(AMI)ではC反応性蛋白(CRP)が著増する.これは組織の融解に反応して増量するサイトカインがCRPの産生を促すためである.この際のCRPは数mg/dlから数十mg/dlと異常に高値を呈する.この現象については周知であり,AMIの診断のための検査法の1つとして定着している.さらに,解離性大動脈瘤でもCRPが高値を呈するが,深部静脈血栓症などの静脈系疾患ではCRPは変動することはない.CRPの生理的役割の詳細は不明であるが,組織学的研究ではCRPが動脈硬化病変部位に集積し,一部は泡沫細胞に取り込まれていることなどから,炎症により壊死した細胞のマーカーとして組織を標識し,マクロファージの標的となっている(オプソニン効果)可能性が考えられている1).この意味からも,動脈硬化病変が炎症であることが示唆される.
 明らかなAMIがない冠動脈疾患患者においてもCRPを測定すると,健常人と比較して高値を呈する(図1).冠動脈病変を病理標本から考察すると,病変部には泡沫細胞が集積し,脂質プールが形成されているほかに好中球やリンパ球などの炎症性細胞の集積もみられる2).すなわち,動脈硬化病変は炎症の病理像を呈している.したがって,CRPが炎症に反応して高値になることは十分想定される.さらに,最近の研究では,そのような組織中ではインターロイキン(IL)1β,IL-6,TNFαなどの炎症性サイトカインやIL-1β受容体拮抗物質が存在することが明らかにされている3)(図2).

Interleukin-6による急性期蛋白の産生機序

著者: 菅又泰博 ,   西本憲弘 ,   吉崎和幸

ページ範囲:P.1015 - P.1019

1.急性期反応とは
 急性期反応は,感染や組織の損傷に対して原因となる物質を排除したり恒常性を回復させるために生体で最初に起こる炎症反応である.局所的には熱感,発赤,腫脹,疼痛を,全身的には発熱,倦怠感といった症状を伴う.このとき,血中で増加もしくは減少する蛋白が急性期蛋白と呼ばれるものである.ヒトでは前者がC反応性蛋白(CRP)や血清アミロイドA(SAA),フィブリノーゲン,ハプトグロビン,α1―アンチトリプシンなど,後者はプレアルブミンやレチノール結合蛋白が代表的である1)(表1).急性期蛋白の産生器官は主として肝臓であるが,生体のほかの組織で起きた損傷の情報がどのようなメカニズムによって肝臓へと伝達されるのかは長い間不明であった.また,肝臓以外,炎症組織からも産生されることが知られるようになった.
 1980年代から'90年代にかけて白血球から産生される種々のサイトカインの存在が明らかになり,また,遺伝子クローニングによりリコンビナント蛋白が得られるようになったことで,サイトカインが急性期反応の重要なメディエーターであることが広く理解されるようになった.本稿では,サイトカインが急性期蛋白を誘導する機序について,interleukin-6(IL-6)を中心に概説する.

血清アミロイドAの多型

著者: 山田俊幸

ページ範囲:P.1021 - P.1024

1.はじめに1)
 血清アミロイドA蛋白(SAA)は慢性炎症性疾患に合併する2次性アミロイドーシスの沈着蛋白AAの血清前駆体として命名された.SAAは分子量11,500の糖を含まない蛋白で,血中では高比重リポ蛋白(HDL)に会合して存在する。SAAはC反応性蛋白(CRP)と並ぶfirst classの急性期蛋白である.インターロイキン6,他の炎症性サイトカインの刺激で様々な細胞で産生されるが,血中のSAA蛋白の大部分は肝合成に由来すると考えられている.SAAには以下に述べるような複雑な多型が存在し,一方,CRPには多型は少なく,急性期蛋白としてのCRPをもつほ乳類も限られることから,SAAは進化上CRPより古く,多型を生み出しながら保持されてきたものと考えられる.本稿ではSAAの多型を概説し,特にSAA1の対立遺伝子多型とアミロイドーシス発症,血中SAA濃度との関係について最近の知見を述べる.

今月の表紙 電気泳動異常パターンの解析シリーズ・9

酸性緩衝液と反応するM蛋白

著者: 青木義政 ,   亀子光明 ,   藤田清貴

ページ範囲:P.946 - P.947

 M蛋白は種々の検査成績に影響することが知られており,しばしば病態を反映しない異常値として観察される.この原因として測定試薬のpH,イオン強度,濃度,電荷,界面活性剤の種類等,様々な条件がM蛋白との反応に関与する.
 図1に81歳,男性1)のセルロース・アセテート膜電気泳動パターンを示す.γ位に明瞭なM蛋白帯を認め,免疫電気泳動(図2),免疫固定電気泳動(図3)により,IgG4-λ型M蛋白と同定され,A型のBence Jones蛋白も観察された.入院時検査において,総蛋白が8.8g/dlにもかかわらずアルブミンが9.2g/dl,直接ビリルビンがマイナス値(-6.2mg/dl)と矛盾する測定値が得られた.またクリオグロブリン,パイログロブリンは検出されず,Sia testは陰性であった.

コーヒーブレイク

劇場

著者: 屋形稔

ページ範囲:P.1020 - P.1020

 最近よくわが国の政治や世情が劇場的になったといわれているが,アクターも内容も田舎芝居のドタバタ劇的なのは残念である.
 一方,演劇や芸能の世界をみていると,次々と若手が出てきて一時華を咲かせては消えてゆく.なかなかあとまで残って観客を魅了する人は少ないが,歌舞伎などで芸歴を積んで大成した人には魅力的な人も少なくないようである.

シリーズ最新医学講座―免疫機能検査・21

肝炎ウイルスと免疫応答

著者: 中村郁夫 ,   落合香織 ,   井廻道夫

ページ範囲:P.1025 - P.1030

はじめに
 肝炎ウイルスとして,A型肝炎ウイルス(HAV),B型肝炎ウイルス(HBV),C型肝炎ウイルス(HCV),D型肝炎ウイルス(HDV),E型肝炎ウイルス(HEV)の存在が知られている.これらのウイルスが感染すると,様々な免疫学的機序が協調して,ウイルスの増殖の抑制・ウイルス感染細胞の排除を行おうとする.そのため,肝炎ウイルス自体には細胞障害性がないか,あるいは軽度であるにもかかわらず,ウイルスに対する生体の免疫応答の結果としてウイルス感染肝細胞の障害が生じる.ヒトにおける細胞性免疫応答の解析には,末梢血単核球(PBMC)・肝浸潤リンパ球(HIL)を用いて,抗原特異的増殖応答の解析,細胞障害性T細胞(ctotoxic T cell;CTL)応答の解析,サイトカイン産生の測定によるヘルパーT細胞(Th)の機能解析などが行われてきた。最近はこのほかに,Elispot法によるサイトカイン産生細胞数の解析,複数色の細胞内サイトカイン免疫蛍光染色法とFlow Cytometryを用いた解析,ヒト組織適合性抗原(HLA)テトラマー/抗原ペプチド複合体を用いたCTLの解析なども行われている。また,マウス,チンパンジー,ウッドチャックなど動物モデルを用いた検討も行われている.
 上記の方法のうち,比較的新しい方法である(1)Enispot法および(2) HLAテトラマー/抗原ペプチド複合体を用いたCTLの解析方法について紹介する.

質疑応答 病理学

HE染色の染色濃度

著者: 小松明男

ページ範囲:P.1032 - P.1034

 Q 病理標本の最も基本的な染色法でHE染色があります.骨の標本を作製するに当たり脱灰液につけHE染色をしています.ヘマトキシリンは通常の染色時間の2倍(20分),エオジンは染色時間を半分(5分)を行っていますが,核が薄くてよく染まりません.良い方法がありましたらご教示下さい.また,エオジンを1,2滴加える理由についてお教え下さい.(脱灰液はK-CX脱灰液,成分はキレート剤,塩酸:藤沢薬品工業を使用)

トピックス

BNPと心不全

著者: 辻哲 ,   片山善章

ページ範囲:P.1035 - P.1040

1.ナトリウム利尿ペプチドファミリー1)
 1984年から1990年にかけて,寒川・松尾らのグループにより,3種のナトリウム利尿ペプチドが相ついで単離された.それらは,atrial natriu-retic peptide (ANP),brain natriuretic peptide(BNP),C type natriuretic peptide (CNP)と命名され,ナトリウム利尿ペプチドファミリーと呼ばれるようになった.
 図1に示すように,これら3つのペプチドは,分子内の2個のcystein残基がs-s結合することにより17個のアミノ酸残基よりなる環状構造を有する.この環状部分のアミノ酸配列は互いに良く保存されており,特異レセプターとの結合にこの構造が不可欠である.3つのペプチドはそれぞれ異なる遺伝子にコードされているが,元来は同じ遺伝子であったものが進化の過程の中で複製され,別の場所で独自の変化をしてきたものと考えられる.

研究

術中迅速腹腔細胞診―標本作製法および検索法に関する検討

著者: 羽原利幸 ,   森谷卓也 ,   森谷恭子 ,   藤村紀行 ,   櫛田あけみ ,   小池秀爾

ページ範囲:P.1041 - P.1044

 消化器癌200例の術中迅速腹腔細胞診における標本作製法や検索法にっいて検討した.集細胞法と末梢血液式塗抹法の精度に差はないが,集細胞法ではより迅速な報告が可能であった.術後追加標本の検索により6.6%の症例で,見直し鏡検により3.5%の症例で,それぞれ診断変更が必要であった.術中は時間の制約から2~3枚の鏡検が適当であるが,術後追加標本の検索は診断精度向上のためにも有意義だと思われた.

未分化大細胞型リンパ腫の新規マーカーとなるクラスタリンの検討

著者: 国仲伸男 ,   宮内潤 ,   藤川淳策 ,   中村宏紀 ,   柳橋宏子 ,   藤本純一郎

ページ範囲:P.1045 - P.1049

 未分化大細胞型リンパ腫(ALCL)の診断には,t (2;5)転座を反映するALKが必要不可欠となっている.しかし,一部のALCLにはALK陰性例も存在することから,ホジキンリンパ腫との鑑別に苦慮することがある.最近,両者の鑑別にクラスタリンが注目されるようになった.われわれは,小児ALCLとホジキンリンパ腫のクラスタリン反応性について検討を行い,ALCLの多くがクラスタリン陽性で,ホジキンリンパ腫は陰性であることを確認した.また,他の非ホジキンリンパ腫も陰性であったことから,クラスタリンはALCLに特異的に発現している可能性があり,ALK陰性ALCLとホジキンリンパ腫の鑑別が困難な場合に,新規マーカーとして役立つ可能性があるものと考えられた.

富山県における12年間の血液ガス分析コントロールサーベイの評価

著者: 奥田忠行 ,   吉田稔 ,   川城昭代 ,   三日市恵子 ,   北島勲 ,   福永寿晴

ページ範囲:P.1051 - P.1057

 富山県臨床検査技師会生理研究班で,コントロール(平成2年開始)および標準物質(平成5年開始)を用いて実施した血液ガス分析(pH,PCO2,PO2)の12年間のコントロールサーベイの結果について検討した.
 ①コントロールおよび標準物質の各項目ともサーベイの回数が増すにつれCV値が減少した.しかしPO2では他の項目よりも回数を要した.②富山県と全国の施設についてのコントロールでの比較では,差は小さかった.③メーカー間差については,標準物質についての検討では,pH, PCO2でバイエル社がラジオメーター社より高値,PO2はラジオメーター社が高値を示した.

基本情報

臨床検査

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN 1882-1367

印刷版ISSN 0485-1420

雑誌購入ページに移動

バックナンバー

icon up
あなたは医療従事者ですか?