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雑誌目次

雑誌文献

臨床検査5巻6号

1961年06月発行

雑誌目次

グラフ

ガラスの話

ページ範囲:P.335 - P.339

三角フラスコの手吹き方法

CRP試験術式—協和薬品提供

ページ範囲:P.340 - P.341

 わが国で行われているC反応性蛋白(CRP)試験は目下のところ毛細管沈降法である。抗CRP血清の市版品には,試験に必要な抗CRP血清,毛細管,毛細管立などが一組となつている。実際の試験には,アンプルに入つている抗CRP血清をそなえつけの小瓶にわけて冷蔵庫に保存したものを使用する。

手術中の迅速組織診断法附図

著者: 春日孟

ページ範囲:P.342 - P.342

技術解説

手術中の迅速組織診断法

著者: 春日孟

ページ範囲:P.343 - P.348

 日本における癌患者の増加に伴い,癌対策に本腰が入れられ,かつ,近年臨床病理学の発達に伴い,術中迅速診断法は癌の発見,予後の判定の良否を左右する有効な手段として重要視されるようになつた。
 それに伴つて,手技,方法の良否は,患者生命を左右するといつても過言ではない。

脂肪染色—その実際と要領

著者: 影山圭三

ページ範囲:P.351 - P.355

はじめに
 脂肪或は脂質の中には,中性脂肪,胆固素脂肪,類脂質,脂酸,など多くのものが含まれていて,脂肪染色としてもつとも広く用いられているSudanⅢによる染色法は,主として中性脂肪を染色する方法で,普通に脂肪染色という場合には,中性脂肪染色を意味することが多い。SudanⅢの他に,Oil red O,Sudan Black B,Scharlach rot,オスミウム酸等が同様に用いられているが,これらの染色では,各種の脂質の鑑別が困難で,そのためには,例えば胆固素脂肪(Cholesterin),燐脂質(Phosphatide),脂肪酸の証明法としては,それぞれSchulz法,Ciaccio法,Fischer法などがあり,また重屈折性の有無を利用して,各種の脂質を区別する方法も用いられている。
 以下,代表的な数種の染色法の実際と要領について説明するが,これらは一つの規準となるもので,染色液の状態或は室温などにより,染色に要する時間など,多少の伸縮を要する事は云う迄もない。要は「染め上り」であり,この点は他のすべての染色に対すると同じ心構えが必要である。

濾紙電気泳動法の実際(その4)—複合蛋白分画法—脂蛋白と糖蛋白

著者: 伊藤斉

ページ範囲:P.357 - P.362

1.いとぐち
 前号まで3回にわたり阿部正和教授によつて血清蛋白質の分画法を中心として濾紙電気泳動法の実際について詳細な解説がなされたあとに,濾紙電気泳動法による複合蛋白の分画法を中心として執筆するよう依頼されたが私自身,この問題のすべてについて十分な経験を持つているわけでないので,内外文献の内容紹介を兼ねて,なるべく実際的な面より,2回に分けて述べ,更に6回として髄液蛋白の分画法についてふれて見たい。
 血液中の脂質や糖質については従来より多くの研究がなされているが,最近に至りこれら物質の大部分は血清蛋白で結合して,脂蛋白(リポ蛋白Lipo-protein),糖蛋白(ムコ蛋白,Glyco-protein,Muco-protein)として存在し,高血圧,動脈硬化症,あるいは熱性疾患,組織の崩壊の盛んな疾患時などに重要な役割を演じていることが分り,臨床生化学的の面から興味が持たれ始めている。

血液銀行で行なわれる諸検査

著者: 村上省三

ページ範囲:P.363 - P.369

 血液銀行でも,それ独特の諸検査がおこなわれているわけでなく,一般の生化学的なまた血清学的な諸検査等がそのまま流用されているのであるが,1,2の点では多少の特長がないわけでもない。それ故多くの検査法についてはそれぞれ詳細な解説もすでにあるのでここではわれわれの経験をもまじえて,あまり記載されていないようなものをいくつかとりあげてのべてみたい。

座談会

ガラスの話

著者: 松代青一郎 ,   石井信治 ,   藤原四郎 ,   早田末吉 ,   天木一太 ,   松村義寛 ,   松橋直 ,   高橋昭三 ,   樫田良精

ページ範囲:P.370 - P.381

 樫田 今日は検査室の中でわれわれが常に御厄介になつているガラス器具,あるいはガラスに関係のあるいろいろのお話を,御専門の方々にお集まりいただいて,一つ肩のこらない話をうかがいたいと思います。
 まずガラスにはどんな種類のものがあるか,またガラス器具らしくなるのはどういう工程を経るのかというようなことをお話いただきたいと思います。まず松代さんから。

新しい検査法

FTA検査法

著者: 水岡慶二

ページ範囲:P.383 - P.385

はじめに
 PangbornによつてCardiolipinが精製された形で取出されて以来,それを抗原として用いることにより梅毒血清反応は鋭敏度ならびに特異度の点で急速な進歩をとげた。しかしながらCardiolipinは脂質であり,これを抗原として梅毒血清反応を行なつた場合にCardiolipinと反応するものは梅毒病原体に対する真の抗体か否か不明である。従つて梅毒でない場合にも陽性を示すことがある。かかる非特異的反応を生物学的偽陽性反応(Biological false positive reaction-略してBFP)と呼んでいるが,このBFPを除外する必要に迫られる場合がしばしばある。特に最近では,梅毒患者の減少と共に,梅毒としての症状もみられなくなつたので,梅毒の診断は血清反応が唯一の手掛りともいえる。それだけにBFPと梅毒を鑑別するための血清学的検査法が一層望まれるわけである。
 かかることを目的とした検査法として,既に広く知られているものにTPIがあるが,その他にもTPA,TPIA,TPCF,RPCFなどが発表されている。これらはすべて,Treponema pallidum(TP)そのものあるいはそれから抽出した蛋白抗原を用いる検査法であり,従つてCardiolipin抗原を用いる場合よりも特異度が高いとされている。

研究

試験紙による血清尿素窒素の簡易・迅速定量法

著者: 斉藤正行

ページ範囲:P.387 - P.391

 腎疾患において,尿素,クレアチニン,尿酸,アミノ酸等の非蛋白窒素の総量を示す所謂残余窒素量が血中に停滞する現象は,昔から注目され,広く診断に利用されてきている。最近クリアランス法という新しい腎機能検査法が展開されたが血中残余窒素測定は依然として腎障害程度特に予後の観察,決定に欠かすことのできないものとされている。然しながらこの素晴らしい検査法もその測定法の容易でない点から設備と時間に制限のある診療所,小病院においては日々の診療に利用されていない。確かに残余窒素の測定は除蛋白濾液中に尿素,クレアチニン,尿酸などといろいろの形で存在する窒素化合物を完全灰化するに際し,時間がかかり更に蒸溜,滴定または比色操作という繁雑さが加わり普及を妨げている。
 勿論この色々の窒素化合物中の幾つかは一つ一つがかなりの増減意味を持つ。しかし残余窒素の大半を占めるものは尿素窒素であり,その量的変動が残余窒素量の変動を支配し,他の窒素化合物一つ一つの増減はほとんど残余窒素量の変動に影響を与えない。このことは腎疾患で残余窒素が高度に上昇した時は更にハッキリし,その80〜90%を尿素窒素が占めるようになる。したがってまつたく同じ腎機能の評価ができるものならば何もめんどうな残余窒素量を測定しなくとも主導権を握り,より測定の簡単な尿素窒素を測定する方が賢明といえよう。

カンジダ症検査培地としての水野・高田培地

著者: 阿多実茂 ,   中野安二 ,   伊藤庄三

ページ範囲:P.393 - P.396

はじめに
 従来Candida其他真菌の培養にはSabouraud寒天が使われ,臨床材料よりの真菌類の検出分離培養には,これにペニシリン(100μ/ml),ストレプトマイシン(100r/ml,),(以下PC,SM)を加えた培地が広く一般に使用されている。然し調整後の保存に堪えない為に,その都度調製しなければならず,臨床検査に際しては稍々不便である。又Candida其他真菌は細菌に比し,一般に発育が遅い為,PC.SM加Sabouraud寒天を使つた場合でも先に細菌の発育をみ,検出分離に支障を来し,不成功に終ることも少くない。更に又細菌集落と真菌集落との肉眼的鑑別は困難な場合が稀ではない。
 これらの不便を除き細菌の発育を抑制し,且コロニーに特別の色を呈せしめ,Candida検出を容易ならしめるよう考案されたものも,これ迄2,3現われている。

検査室紹介

当病院臨床検査課における各年度ごとの統計学的観察

著者: 阿部秀雄 ,   上之薗義一 ,   井上キミヱ ,   天寺和男

ページ範囲:P.397 - P.399

〔I〕
 私達は本院における臨床検査課の開設以来の動態を把握すべく種々の角度から主として統計学的にまとめましたので簡単に報告する。

基本情報

臨床検査

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN 1882-1367

印刷版ISSN 0485-1420

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