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雑誌目次

雑誌文献

臨床検査58巻7号

2014年07月発行

雑誌目次

今月の特集1 電解質,酸塩基平衡検査を苦手にしない

著者: 山田俊幸

ページ範囲:P.781 - P.781

 特集タイトルにあるように血液ガス,電解質の評価はちょっと難しい印象がありませんか? 酵素活性が高いのは細胞が壊れたからであったり,蛋白濃度が低いのは合成が低下したか体外に漏出したからであったり,など,データの背景はそう複雑ではありません.しかし,本特集で取りあげた項目は生体のホメオスタシスによって調節されるもので,その生理機構を理解する必要があります.加えて,これらの項目は患者の治療・管理に直結するものですから,データを報告するほうも緊張してしまいがちです.ただし,臨床検査に求められるのは,難しい輸液管理などではありません.データの妥当性を評価し,随時再検査を行うなど,安全なデータを提供することです.本特集で,やや詳しく学習し,苦手意識を払拭していただけたら幸いです.

血液ガス分析のエッセンス

著者: 脇田喜登 ,   今井裕一

ページ範囲:P.782 - P.786

●pH,PaCO2,HCO3-から代謝性,呼吸性,アシドーシス,アルカローシスを評価する.

●代謝性アシドーシス,アルカローシスでは,実測HCO3-+15=予測PaCO2で代償される.

●実測PaCO2=予測PaCO2ならば正常の代償機構,実測PaCO2>予測PaCO2ならば,呼吸性アシドーシスの合併,実測PaCO2<予測PaCO2ならば呼吸性アルカローシスの合併と診断できる.

●基準値はそれぞれアニオンギャップ(AG)=12,HCO3-=24,Na-Cl=36である.AG=Na-(Cl+HCO3-)からAG正常か増加かを判断する.

●A-aDO2=150-(PaCO2/0.8)-PaO2を計算し,拡散障害を評価する.

水,ナトリウム代謝の読み方

著者: 塚原知樹

ページ範囲:P.787 - P.792

●血液の浸透圧,ナトリウム濃度は,腎臓と抗利尿ホルモン(ADH)により維持されている.

●高ナトリウム血症は主に,水不足のときと,ADHが出ない(または効かない)ときに起こり,前者は予防すべきである.

●低ナトリウム血症は主に,腎臓が水を排泄できないか,その他の内分泌疾患か,心因性多飲かで起こる.

●高ナトリウム血症も低ナトリウム血症も補正はゆっくりと,フォローは頻回に行う.

カリウムの読み方

著者: 木村秀樹

ページ範囲:P.793 - P.800

●体内の総カリウム(K)の98%は細胞内に分布し,1~2%が細胞外液に分布している.主としてNa/K ATPポンプにより,細胞内のK濃度は140~150mEq/L程度に,細胞外液では4mEq/L程度に調整されている.

●Kの1日摂取量は40~120mEqで,半分以上が尿から排泄されている.血清K値は,摂取量,排泄量,Kの細胞内外シフトの総合的なバランスで決定される.

●インスリン,アルカローシス,β2カテコラミン,甲状腺ホルモンは,Kの細胞内シフトを誘導して血清K値を低下させる作用をもつ.各因子の低下・阻害で細胞外シフトが生じ,K値は上昇する.

●低K血症の原因は,尿中K排泄が20mEq/日以上では腎性喪失を,20mEq/日未満なら腎外性喪失を考える.さらに,酸塩基平衡とアルドステロン(Ald)作用の程度で分類する.

●高K血症の原因は,K負荷の有無,腎機能(腎不全:GFR 20mL/mL以下か否か),血清Aldの程度で鑑別する.

カルシウム,リン,マグネシウムの読み方

著者: 風間順一郎

ページ範囲:P.801 - P.805

●カルシウム(Ca)濃度は基準値より大幅に低くても高くても,緊急治療の適応である.

●高Ca血症の原因は,Ca代謝ホルモンの暴走か医原性である.

●Ca濃度のアルブミン(Alb)による補正の是非は,必ずしもコンセンサスが得られていない.

●高リン(P)血症に比較して低P血症のほうが治療の緊急性は高い.

●慢性腎臓病ではPが蓄積する.

●長期的には高P血症の持続は,予後悪化因子である.

●長期的には低マグネシウム(Mg)血症の継続は予後悪化因子である.

●自力で訴えを伝えられない高齢者などに,しばしば著しい高Mg血症がみられる.

心電図でみる電解質異常

著者: 庭野慎一

ページ範囲:P.807 - P.813

●血清カリウム(K),血清カルシウム(Ca)の異常によって心電図が変化する.

●極端な電解質異常は,致死的不整脈の発生原因となることがある.

●高K血症では,T波が尖鋭化し,QRS幅が増大する.

●低K血症,低Ca血症ではQT間隔が延長する.

今月の特集2 夏に知っておきたい細菌性胃腸炎

著者: 岩田敏

ページ範囲:P.815 - P.815

 感染性胃腸炎の原因となる病原微生物はさまざまですが,わが国においては,一般に夏季には細菌性胃腸炎が,冬期にはウイルス性胃腸炎が毎年流行しています.今回の企画では,このうち夏季に問題となることの多い細菌性胃腸炎を取り上げ,細菌性食中毒も含み,その疫学,病態,検査・診断,治療,感染予防対策(施設内,家庭内)に関する国内外の最新の情報を専門家の先生方から提供していただきます.

 近年,食文化や嗜好の変化,食品流通機構の変化,人や文化交流のグローバル化などによる衛生環境の整備により,国内ではあまりみられなくなっていた消化管感染症の発生,広範囲に及ぶ食中毒の集団発生事例などが認められ,食の安全に対する関心が高まっています.そのような点も踏まえて,解説のなかでは,特に検査診断のポイント,食の安全との関連性にフォーカスをあてていただきました.

 細菌性胃腸炎が増加する夏季を迎えて,読者の皆さまのなかでこれらの感染症に関する知識をリマインドしていただければ幸いです.

腸管出血性大腸菌感染症

著者: 大西真

ページ範囲:P.817 - P.823

●腸管出血性大腸菌(EHEC)感染症は年間4,000例程度の報告がある.

●無症状保菌者が報告数の30~35%程度を占める.

●EHECは極めて多様である.

●消化器症状が先行する溶血性尿毒症症候群(HUS)の菌不分離例では,血清診断が有効である.

カンピロバクター感染症

著者: 山崎伸二 ,   日根野谷淳

ページ範囲:P.825 - P.832

●カンピロバクターは家畜の腸管内に生息しており,加熱不十分な食肉,特に鶏肉が感染源となり,ヒトに急性胃腸炎を引き起こす.

●Campylobacter jejuniとC. coliが食中毒原因菌として認められており,下痢症患者から分離される98%以上がこの2菌種である.

●C. jejuniによる下痢発症後,続発症として末梢神経障害であるGuillain-Barré症候群を引き起こすことがある.

●抗菌薬を含まない非選択培地を用いたケープタウンプロトコールと呼ばれる培養法で,下痢症患者からC. jejuni,C. coli以外のカンピロバクター属菌も多数分離されている.

●C. concisusなど,歯周病の原因となる口腔内細菌が,小児や成人の潰瘍性大腸炎やCrohn病など,炎症性腸疾患の原因となる可能性が報告されている.

細菌性赤痢

著者: 大西健児

ページ範囲:P.833 - P.839

●細菌性赤痢は赤痢菌の感染症で,下痢,発熱を主症状とし,感染経路は経口である.

●細菌性赤痢は日本国内でも感染する.

●現在はShigella sonneiを起因病原体とするものが主流であり,軽症例が多い.

●便から赤痢菌を分離して診断する.

●成人の細菌性赤痢にはフルオロキノロンが第一選択薬である.

非チフス性サルモネラ感染症

著者: 小西典子 ,   甲斐明美

ページ範囲:P.840 - P.845

●全国で発生するサルモネラ食中毒事例数は,1996~2000年の年間300事例をピークに年々減少し,2013年は34事例であった.これは,鶏卵を原因とした血清型Enteritidisによる食中毒が激減したためである.

●過去5年間に分離されたサルモネラの血清群(O群)は17種類であった.血清型は相変わらずEnteritidisが多く,分離株の26.9%を占めていた.

●わが国における市販鶏卵の汚染率は従来から0.03%といわれていたが,近年の調査では0.003%であると報告されている.鶏卵の汚染率が低下したことや衛生管理の徹底などがサルモネラ食中毒の減少に寄与したものと考えられる.

コレラ菌・腸炎ビブリオ感染症の最近の動向―感染予防における公衆衛生対策の重要性を示唆

著者: 西渕光昭

ページ範囲:P.847 - P.854

●コレラ菌と腸炎ビブリオは,沿岸域の汽水中の魚介類汚染を介して,人に腸管感染症を起こす.

●コレラ菌は,淡水中でも生育でき,患者排泄菌が陸水汚染を介して,大規模な水系感染(二次感染)に発展する恐れがある.

●1996年頃に出現し腸炎ビブリオ新型菌によって汚染した二枚貝の輸出入による感染症の世界的大流行が起こった.

●WHO/FAOは,魚介類中の病原性ビブリオ属菌による感染予防対策の策定を促した.

●最近のアフリカの難民キャンプやハイチでのコレラの多発と,わが国での腸炎ビブリオ感染症例数の激減は,公衆衛生対策の重要性を示唆している.

黄色ブドウ球菌感染症と食中毒

著者: 胡東良

ページ範囲:P.855 - P.861

●黄色ブドウ球菌は多様なエンテロトキシンを産生する.現在,古典型SEA~SEEに加え,新型SEG~SElXまで報告されている.

●ブドウ球菌食中毒の診断は細菌を検査するだけでなく,本菌が産生するエンテロトキシンの検査と型別が必要である.

●古典型と新型エンテロトキシン遺伝子を包括的に検出できるmultiplex PCRが開発されている.

細菌性胃腸炎と関連法規

著者: 小杉伸弘 ,   大塚喜人

ページ範囲:P.862 - P.868

●細菌性胃腸炎を起こす細菌のなかで,一部の菌種は感染症法において三類感染症に指定されている.また,五類感染症の感染性胃腸炎として,小児科定点調査の対象ともなっている.臨床検査室は,検査法を熟知するとともに,法律,法令なども理解しておく必要がある.

●三類感染症に含まれる菌属は,四種病原体などであるため,適正管理基準(厚生労働省令)を遵守しなければならない.

今月の表紙

ALP alkaline phosphatase

ページ範囲:P.780 - P.780

 2014年表紙のテーマは“生命の森”.生命活動を支える重要な物質である蛋白質のうち,実際の臨床検査でも馴染みの深い12種類の蛋白質を厳選.その3D立体構造をProtein Data Bankのデータから再構築.大いなる生命のダイナミズムを感じさせるようにそれぞれの蛋白質を配置し,並べたときには蛋白質による“生命の森”を表現します.

INFORMATION

―平成26年度医療機器安全基礎講習会―第36回ME技術講習会のお知らせ/第36回第2種ME技術実力検定試験

ページ範囲:P.805 - P.805

内 容:安全の基礎とトラブル事例~電気編・医療ガス編~・人工呼吸器と呼吸モニタのトラブル事例と対策・輸液ポンプのトラブル事例と対策・リスクマネジメントの実際・医療機器安全管理の実際(医療機器安全管理責任者の説明を含む)

2014年開催日程・会場:

 仙台会場:7月 5日(土) 仙台国際センター

 東京A会場:7月12日(土) 大田区産業プラザPiO

 大阪会場:7月26日(土) 大阪国際会議場

 東京B会場:7月27日(日) 大田区産業プラザPiO

 名古屋会場:8月10日(日) ミッドランドホール名古屋駅前

 ※詳細はホームページ URL:http://www.jaame.or.jp をご高覧ください.

Advanced Practice

問題編/解答・解説編

ページ範囲:P.869 - P.869

「Advanced Practice」では,臨床検査を6分野に分け,各分野のスペシャリストの先生方から,実践的な問題を出題いただきます.

知識の整理や認定技師試験対策にお役立てください.

異常値をひもとく・19

血清Lp(a)が異常高値を示し,突然の不穏症状を示した症例

著者: 三宅紀子 ,   佐藤尚武

ページ範囲:P.871 - P.876

はじめに

 異常検体が予期しない測定結果となることは珍しくない.溶血検体,乳び検体,高ビリルビン検体などは代表的なものであるため,これらの影響を排除した試薬が一般的である.しかし,異常蛋白であるM蛋白が測定系に影響する頻度は比較的低いため,これまで検査部で意識せずに測定結果を報告していた場合があるかもしれない.本稿に示した症例は異常値がいわゆるパニック値を示したため,M蛋白との関連性について検討する機会があった.ここで示したケースを含めM蛋白血症がさまざまな生化学検査において測定前・測定時に影響することを記憶にとどめておきたい.

樋野興夫の偉大なるお節介・7

『暇げな風貌』の心得―希望を具現化する

著者: 樋野興夫

ページ範囲:P.878 - P.879

 週末,早稲田大学中野国際コミュニティプラザエクステンションセンター中野校のオープンカレッジ春期講座「がんと生きる哲学」で,講師をする機会が与えられた.5年前の「がん哲学と新渡戸稲造~日本肝臓論~」(NHK放送博物館 愛宕山ホール)のversion upでもあり,「がん哲学」(2004年)出版10周年記念でもある.「われ21世紀の新渡戸とならん」(2003年)10周年記念では,国際連盟のあったジュネーブと終焉の地であるバンクーバーを訪れる機会が与えられた.


 第103回日本病理学会総会(2014年4月24~26日)で広島に赴いた.筆者は,特別企画「病理学─復興・創生・展開・未来─」(広島国際会議場)で,「病理学~過渡期の指導原理と新時代の形成力~」を講演する機会が与えられた.「遺伝性がんからそして,環境発がんへ」を語った.日本病理学会理事長,本学会会長の司会,筆者の恩師:菅野晴夫先生(癌研究会顧問),若き日から,大変お世話になった田原榮一先生(広島大学名誉教授)をはじめ,皆さまのお話には,大変感銘を受けた.その日のランチョンセミナー「リンチ症候群(遺伝性非ポリポーシス大腸癌)の診断と対策」では,司会の役を仰せつかった.翌日のワークショップ「病理医が一般人と会い,患者・家族に説明する意義は何かを考える」(ANAクラインプラザホテル)では,「医師の2つの使命~がん哲学外来~」を話す機会が与えられた.これを機に,「次世代のがんチーム医療を考える会~病理医〈懸け橋〉の役割~」が立ち上げられる予感がする.まさに「日本国の医療の隙間を埋める使命」である.

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「検査と技術」7月号のお知らせ

ページ範囲:P.792 - P.792

書評 エコーでコラボ 主治医と検査者の相互理解を深める心エコー奥義

著者: 竹中克

ページ範囲:P.806 - P.806

依頼理由別の心エコーと所見別の対応がわかる初学者向け教科書

 執筆陣全員が北海道民の心エコーの教科書が誕生しました.さて,「北海道民だけで執筆した教科書」にどんな意味があるのでしょうか? 執筆陣の中心となるわが友山田聡先生は信州出身ですが,監修の三神先生は「かつて日本の各地から移住した人々が築いてきたコラボレーションの伝統」「北の豊穣な大地」とその意義を説明されています.私自身は,本書は北海道民の「気概」を示すものと理解して,それではその内容は全国区で通用するものか否かを拝読吟味させていただきました.

 心エコー初学者対象の292ページの教科書です.最初に総論として心エコーの基本がコンパクトにまとめられています.初学者対象でありながら,経食道心エコー法まで解説されており,また「心機能と血行動態評価の基本的な考え方」は短いながらも読み応えのある力作です.次に各論「心エコーの活かしかた」が配置されていますが,この部分が本書の特徴となります.従来の教科書は,疾患別に組まれているものがほとんどですが,日常臨床で患者さんが疾患別に心エコー検査室に来られることはありません(経過観察などを除く).初診患者さんが心エコー室に来られる際の情報は「主治医からの依頼理由と臨床所見」です.私自身も「依頼理由別の心エコー」を単行本で著したり,雑誌の企画で取り上げたりしてきましたが,本書は最新の「依頼理由別の心エコー」教科書であります.さらに,心エコー室で依頼内容とは無関係の重要所見が偶然得られることもあります.これ,すなわち「得られた心エコー所見別の対応」にも十分なページが割かれています.前者が,主治医から検査者への投げ掛けで,後者が検査者から主治医への投げ掛けとなり,この二つが本書のタイトル「エコーでコラボ」「主治医と検査者の相互理解」の内容そのものであります.それでは,「心エコーの奥義」とは何でしょうか? 「人生とは死ぬことと見つけたり」のような至言・箴言がどこかに隠されているのかと思い読み進みましたが,各論14から32に盛り込まれた症例提示を通じた「主治医と検査者のやりとり(コラボ)」の数々が本書にちりばめられた奥義であることを納得しました.例えば「残留多重反射」「悪性リンパ腫」「左脚ブロック」のような内容が漏れて(省かれて)はいますが,それは単行本としての紙数制限のために致し方ないことと思います.「主治医と検査者のやりとり」という目で各論を読み進むと,特に初学者にとって心エコーの醍醐味・楽しさが味わえる素晴らしい読み物であることがわかります.各項における緊張感はやはり「道民の気概」を示していると言わざるを得ず,道民以外の日本人にも推薦したい心エコー法の教科書であります.

バックナンバー一覧

ページ範囲:P.813 - P.813

書評 レジデントのための血液透析患者マネジメント 第2版

著者: 柳田素子

ページ範囲:P.814 - P.814

かゆいところに手が届く非常に優れた入門書

 わが国の血液透析患者さんは31万人を越えました.併存する疾患の治療,検査や手術のためにさまざまな診療科に入院しておられるため,どの診療科の医師であっても,血液透析と無縁であることはできません.その一方で,血液透析患者さんでは体液管理や血液管理,薬剤の使い方などさまざまな点が異なり,分野外の先生方にとっては敷居が高い分野となっています.

 本書は,若手医師や分野外の先生方が血液透析の基本を初めて理解する上で非常に優れた入門書となっています.本書は通読することが前提となっていますが,一人の筆者が一冊を通じて著述しておられるために各章間で重複がなく,あっという間に通読できます.まず第1章で基礎知識を身につけ,第2章では血液透析導入,第3章では維持透析の管理,第4章では急性腎障害と少しずつ知識を深めていき,第5章では特殊な血液浄化についても知識が得られるようになっています.

投稿規定

ページ範囲:P.880 - P.880

次号予告

ページ範囲:P.881 - P.881

あとがき

著者: 佐藤尚武

ページ範囲:P.882 - P.882

 今年の東京地方は桜が散ってもかなり寒い日が続きました.ゴールデンウィークも終了した現在では,さすがに初夏の装いをみせ始めていますが,それでも関東地方にひょうが降った日もありました.昨年は秋になっても暑い日が続きましたが,今年は寒さの続いた春として記憶に残りそうな印象を受けます.

 今月号は第1特集として「電解質,酸塩基平衡検査を苦手にしない」を取り上げました.編集会議の段階では少々地味な企画かなと思ったのですが,原稿を読んでみると大変面白く,また役に立つ企画であることがわかりました.あらためて本特集を企画した,本誌編集主幹の山田先生の慧眼に恐れ入った次第です.また執筆された先生方も,山田先生の狙いをよく理解し,わかりやすい原稿を書いていただいたことで,内容が充実したものになったのだと思います.

基本情報

臨床検査

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN 1882-1367

印刷版ISSN 0485-1420

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