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雑誌目次

雑誌文献

臨床検査60巻12号

2016年11月発行

雑誌目次

今月の特集1 血液学検査を支える標準化

著者: 佐藤尚武

ページ範囲:P.1385 - P.1385

 今回は「血液学検査を支える標準化」というテーマで特集を組んでみました.血液学検査では標準物質を設定することが困難であり,標準化を進めるうえでの大きな障害となっています.しかし,そのような状況下でも標準化を推進すべく,さまざまなアプローチが試みられています.本特集では,そのような活動の一端を紹介しています.いずれも将来的な血液学検査の標準化につながる重要な活動と考えます.

 本特集では,日常検査との直接的な関係は薄い基礎的な検討から,日常検査に直接的に影響する実践的な検討までが述べられています.実践的な内容は,もちろん日常の検査に携わる読者の皆さまに役立つ点が多いと思います.しかし,その前段階の,少し基礎的な検討についてもその内容を知ることは,検査に対する理解を深め,これも有益であると考えます.本特集を通じて,血液学検査の標準化について理解を深めていただければ幸いです.

血液学検査における単位の標準化—国際比較の観点から

著者: 川合陽子

ページ範囲:P.1386 - P.1394

Point

●検査血液学的分野において,国際的動向を踏まえながらの標準化活動は大変,重要である.

●血球計数関連検査の報告単位には従来SI単位が推奨されているが,慣用単位も広く使用されている.

●わが国では血液検査の報告単位がまちまちであり,さらに報告値の桁数についても種々の表記がみられる.

●患者中心の医療には検査値の共有化が必須であり,検査結果の報告単位や桁数の不統一は早急に解決すべき重要な課題である.

フローサイトメトリーによる白血球分類参照法

著者: 永井豊

ページ範囲:P.1396 - P.1402

Point

●自動血球分析装置の白血球分類値を評価するための白血球分類の参照法は,従来の視算参照法では均一な塗抹標本が困難であり,少数比率細胞の精密性も低く,実用的といえるものではなかった.

●臨床・検査標準協会(CLSI)は精密度の高いフローサイトメトリー(FCM)法を将来の参照法(FCM参照法)と位置付けて複数の文献を提示したが,分類する白血球を確実に捉える抗体選択などの提案はしていない.

●CLSIの提案を受けて,国際血液学標準化協議会(ICSH)は国際臨床サイトメトリー学会(ICCS)と連携したプロジェクトを発足させ,分類する白血球を確実に捉える抗体選択によるFCM参照法(ICSH-Diff参照法)を提案したが,その目的は“自動血球分析装置を評価するための参照法”から“大規模スクリーニングを目的とした異常細胞も含む参照法”に変更された.

●日本検査血液学会(JSLH)は“自動血球分析装置を評価するための参照法”の検討を継続し,分類する白血球を確実に捉える抗体選択によるFCM参照法(JSLH-Diff参照法)を独自に確立してICSH-Diffを対照とした検証を終え,メーカーサーベイで有用性を実証するために試用する予定である.

フローサイトメトリーによる血小板数参照法

著者: 近藤弘

ページ範囲:P.1404 - P.1409

Point

●世界保健機関(WHO)および国際血液学標準化協議会(ICSH)が規定した血小板算定視算法(WHO/ICSH)は,参照法としての正確度・精密度が十分とはいえず,改善の余地がある.

●米国臨床検査標準協会(CLSI)は,精密度の高いICSHと国際検査血液学会(ISLH)が連携して提案した免疫学的フローサイトメトリー(FCM)法を参照法として推奨した.

●FCM法による血小板算定は,参照法として精密度は十分であるが,下限設定が規定されておらず,正確度の標準化には課題が残っているため,改良法を検討した.

●正確度についてFCM法と視算法を比較すると,視算法はWHO/ICSHガイドラインに規定された参照法使用上の留意点に配慮しないと低値傾向となり,FCM法は下限設定をしないと機器間差の影響を受けて高値傾向となる.

破砕赤血球の識別基準

著者: 渡部俊幸

ページ範囲:P.1410 - P.1416

Point

●血栓性微小血管障害症(TMA)の形態的診断根拠となる破砕赤血球形態の定義は,小型三角形,小型三日月,ヘルメット型,keratocyte,小型球状赤血球からなる.ただし,小型球状赤血球は,その他の破砕赤血球が存在しているときに加えられる.

●破砕赤血球形態の識別基準は,一致率50%以上の日本検査血液学会(JSLH)画像と国際血液学標準化協議会(ICSH)ガイドラインが相関している.これらを参考にして形態判定を行うことが望ましい.

●破砕赤血球は,赤血球1,000個中の破砕赤血球数を%表示で表し,TMAの診断では1%以上を有意とする.

好中球桿状核球と分葉核球の識別基準および白血球目視分類の共用基準範囲

著者: 坂場幸治

ページ範囲:P.1418 - P.1427

Point

●好中球系細胞において標準化された新分類基準によって白血球目視分類の共用基準範囲を求めた.

●基準個体の除外基準は日本臨床検査標準化協議会(JCCLS)の「日本における主要な臨床検査項目の共用基準範囲案」を用いた.

●白血球目視分類の共用基準範囲はノンパラメトリック法,潜在異常値除外法により求め,ノンパラメトリック法で設定した.

●血液形態検査における標準化の普及には多くの学会や関連団体の協力が必要である.

凝固検査用検体取り扱いの標準化—自施設測定医療機関対象版について

著者: 家子正裕

ページ範囲:P.1428 - P.1435

Point

●抗凝固剤には0.105〜0.109M(3.13〜3.2%)クエン酸ナトリウム溶液を使用する.

●採血後は1時間以内に血液試料を室温で遠心し,血漿分離する.

●遠心は1,500×gで最低15分間(または2,000×g,最低10分間),18〜25℃で行う.

●分離後サンプルは室温(18〜25℃)保存とし,4時間以内に分析(測定)する.

今月の特集2 脂質検査の盲点

著者: 山内一由

ページ範囲:P.1437 - P.1437

 脂質検査は動脈硬化性疾患の予防と治療を通じて患者の予後改善に寄与するだけでなく,高騰を続ける医療費の削減にもつながる重要な臨床検査です.その意義と活用方法は日本動脈硬化学会が刊行する「動脈硬化性疾患予防ガイドライン」と「動脈硬化性疾患予防のための脂質異常症治療ガイド」に明記されていますが,これを十分に理解している医療スタッフは意外と限られているように感じます.少なくとも,データを提供する検査室は上記のガイドライン/ガイドに精通しておく必要があります.脂質検査データを最も目にする機会があるのは検査スタッフだからです.検査室がガイドラインに即したかたちで精確なデータと適切なコメントを報告できるようになれば,ガイドラインでうたわれている脂質検査の目的を十分に果たすことができるようになります.もちろん,私たちが専門とする検査技術に関する点に抜かりがあってはいけません.各種検査法の臨床的意義と活用方法,検査法が抱える問題点について熟知しておくことがガイドラインを生かす重要な前提条件です.

 日常化が進んだ臨床検査ほど,思いもよらぬ盲点があるものです.本特集が脂質検査の盲点の克服にお役立ていただければ幸いです.

血清脂質評価の考え方

著者: 荒井秀典

ページ範囲:P.1438 - P.1443

Point

●血清総コレステロール(TC),トリグリセリド(TG),HDLコレステロール(HDL-C)は12時間以上絶食したのち採取した血清で測定する.

●LDLコレステロール(LDL-C)は上記の数値からFriedewaldの計算式で求める.

●LDL-C 140mg/dL以上を高LDL-C血症,120〜139mg/dLを境界域高LDL-C血症,HDL-C 40mg/dL未満を低HDL-C血症,TG 150mg/dL以上を高TG血症と定義する.

●随時採血の場合にはnon HDL-Cを用いる.non HDL-Cの管理目標はLDL-C +30mg/dLである.

TG測定法の現状と展望

著者: 栢森裕三 ,   河野弥季

ページ範囲:P.1444 - P.1450

Point

●中性脂肪は,グリセロール骨格に3分子の脂肪酸が結合したトリグリセライド(TG),2分子結合したジグリセライド(DG),そして1分子結合したモノグリセライド(MG)の総称である.血清中ではその90〜95%がTGであるので中性脂肪とTG(トリアシルグリセロールともいう)は同義語として使用されている.

●TGは動脈硬化との関連性が強い.脂質異常症の診断基準やいわゆる“メタボ健診”の脂質項目の1つとして測定が義務付けられるなど,測定の必要性やその正確性が重要視されている.

●わが国でのTG測定法は,日本臨床化学会勧告法である内因性遊離グリセロール(FG)を消去する方法が主流であるが,海外では内因性FGを含む総グリセロールを測定する非消去法が増加傾向にある.診断・治療効果,動脈硬化や心血管疾患リスクを正しく評価できる測定方法を選択することが重要である.

HDL-C測定法の現状と課題

著者: 杉内博幸 ,   永田和美 ,   安東由喜雄

ページ範囲:P.1452 - P.1458

Point

●自動分析装置で測定することが可能な高比重リポ蛋白コレステロール(HDL-C)直接法が日常検査で普及している.

●検体の長時間保存では,高比重リポ蛋白(HDL)粒子を構成する脂質成分の変化によって測定値が変動するので,測定する場合は新鮮検体を用いる.

●HDL-C直接法は,apoE-rich HDLなど特殊リポ蛋白が増加した検体に対する反応性が試薬間で異なるので,試薬の特性を十分把握して用いることが望ましい.

●HDL-C直接法は,健常人検体では試薬間の測定値のバラツキは小さいが,患者検体では試薬間のバラツキが大きい.

LDLコレステロール測定法の現状と課題

著者: 平山安希子 ,   平山哲

ページ範囲:P.1460 - P.1466

Point

●LDLコレステロール(LDL-C)の測定法は複数あり,利便性の高い直接法が広く普及している.

●直接法の正確性がわが国で検討され,食後検体や高トリグリセリド(TG)血症でも一部の試薬を除いて正確性が確認された.

●試薬間差の解消によって,日常診療における直接法の優位性は確立されている.

small dense LDLの測定法とその意義

著者: 平野勉

ページ範囲:P.1467 - P.1472

Point

●低比重リポ蛋白(LDL)は冠動脈疾患(CAD)の原因物資ではあるが,LDLコレステロールは鋭敏なリスクマーカーとはいえない.

●sdLDL(small dense LDL)はコレステロールに乏しいが,血管内で酸化LDLの原料となり,強い動脈硬化惹起性がある.

●sdLDLコレステロールはメタボリックシンドロームや2型糖尿病で上昇する.

●sdLDLコレステロールの自動分析が可能となっている.

RLP-コレステロール測定法とその意義

著者: 山村卓

ページ範囲:P.1474 - P.1482

Point

●TG-richリポ蛋白の中間代謝物であるレムナントリポ蛋白は動脈硬化惹起性リポ蛋白である.

●レムナントリポ蛋白の保険収載された定量法として,RLP-C(免疫吸着法−酵素法)とRLP-C(酵素法)〔RemL-C〕の2つの測定法がある.

●RLP-CとRemL-Cの測定値は良好な相関が認められるが,著しい高値検体では乖離が認められる.

●両測定法の特性と限界を理解したうえで,今後,多くの一般診療・臨床研究に応用されることが期待される.

心臓物語・8

腹八分目に医者いらず—高血糖症

著者: 島田達生

ページ範囲:P.1384 - P.1384

 「養生訓」といえば,貝原益軒(1630〜1714年)の書が有名である.哲学者として功名高い三浦梅園(1723〜1789年)も養生訓を出しているが,文脈が難しく,ほとんど知られていない.2014年10月に三浦梅園の「養生訓」の現代語訳・解説が梅園学会から発刊された.以下に,その一部を紹介する.

元外科医のつぶやき・23

医療従事者こそ献血の体験を

著者: 中川国利

ページ範囲:P.1483 - P.1483

 現場把握と経費削減のため,しばしば献血バスの検診医として県内各地を回っている.多くの国民が身近なボランティアである献血に協力してくれることに感謝する一方で,医療施設における献血協力者数の低迷が気になる.

 現在,献血者の半数以上が40歳以上の中高年であり,初めての献血理由を聞くと,“高校での献血バス”と,答える献血者が多い.しかし,近年は教育カリキュラムが過密で,保護者とのトラブルを避けるためもあり,高校での献血は困難となっている.特に医療職を目指す学生が多い進学校が厳しい状況にあり,若年期における献血の機会が失われ,献血に対して無関心になりがちである.

検査レポート作成指南・15

細胞診断編

著者: 小松京子 ,   山田麻里沙 ,   藤山淳三

ページ範囲:P.1484 - P.1492

 16世紀に,組み合わせレンズを使用した顕微鏡が発明された.17世紀には細胞の観察による報告がなされ,cellという用語が初めて用いられた.細胞が腫瘍診断へ応用され始めたのは19世紀になってからであり,1928年,PapanicolaouがNew Cancer Diagnosisを発表したのが近代細胞診断学の発展の始まりと考えられる.わが国では1962年に日本臨床細胞学会が発足し,1968年に最初の細胞診専門医が,1969年には最初の細胞検査士が認定され,現在約2,000名の専門医と8,000名の細胞検査士が病院や検診機関,医師会や検査センターなどで診断業務に携わっている.

 剝離細胞診として始まった細胞診断は,擦過細胞診・穿刺吸引細胞診などの応用範囲が広がるとともに報告様式も検討されている.婦人科領域では,より臨床に有用な情報提供をするべく,ベセスダ分類へと移行している.穿刺領域での報告様式は施設によって異なり,陽性・疑陽性・陰性の3段階の分類あるいはPapanicolaouのクラス分類が使用されていることが多いが,分野ごと検討されており,その報告様式は変化しつつある.

検査説明Q&A・22

免疫電気泳動検査で,抗ヒト免疫グロブリン重鎖(抗γ,α,μ,δ)特異抗血清と反応してα領域に沈降線が認められます.これは,どのようなことが考えられますか?

著者: 伊藤喜久

ページ範囲:P.1494 - P.1497

■はじめに

 免疫電気泳動法(immunoelectrophoresis:IEP)は,電気泳動法とゲル内沈降反応を組み合わせた検査法です1).その原理・方法は以下の通りです.寒天ゲルの細孔にサンプルを添加し,電気泳動法でアルブミン,α1,α2,β,γの5分画に分離した後に(目には見えない),さらに分画ラインに平行して外側の細長い溝を切り特異抗血清(抗体)を添加します.抗原(蛋白質)と抗体はゲル内を拡散し,やがて両者が出会うと,ここに抗原抗体複合体(免疫複合体)が形成され沈降線が出現します.この場合,対応する抗原(個別蛋白)が一定濃度以上存在し,特異抗体と適正比率で反応することが条件となります.抗原が単一分子で構造が均一であれば沈降線は原則一本で弧状に観察されます.もし,抗原分子が重合し,他の成分と結合,あるいは分解していると,分子量,抗原構造,荷電の変化によって複数で一部癒合した沈降線が認められ,移動度も変化してきます.沈降線の数,移動度,形状,特異抗体に対する反応性などを総合して対象抗原の構造や物性などを読み解きます.

寄生虫屋が語るよもやま話・11

酒さえ飲まなきゃよい人なのよ……—ソロモン諸島のマラリア調査

著者: 太田伸生

ページ範囲:P.1498 - P.1499

 今回は少し悲しい話である.第二次世界大戦では,アジア太平洋地域で戦場となった地域に多大な迷惑をおかけした.ソロモン諸島もそのような地域の1つである.日本は米豪の連絡線を絶つべく基地を設けようとしたが,完成直前に米軍大機動部隊の急襲を受けて退散した.以来,ガダルカナル島の飛行場争奪をかけた消耗戦が繰り広げられ,投入した日本兵2万人のうち7割が戦死する敗北を喫して日本敗戦の端緒となった.戦死した日本兵の多くは戦闘より飢えとマラリアで命を亡くしている.ガダルカナル島はマラリアの濃厚流行地であったので,侵攻した米軍は十分量の糧食とマラリア薬を携行していたのに対して,日本軍にはその両方の備えがなかった.今も残る島内各地の戦跡を巡ると,もの言わぬ兵士の声が聞こえる気がして瞑目合掌するのである.

 そんなガダルカナル島であるが,戦後,わが国はマラリア対策を柱とした援助を行うことになった.JICAは首都ホニアラに立派なマラリアセンターを建設し,対策専門家を派遣して,患者のケア,媒介するハマダラカの駆除,治療薬の安定供給など総合的対策についての貢献を行ったが,残念なことに効果は十分でないまま事業は終了した.その後,わが国のマラリア研究グループが小規模の研究費ベースで対策や調査のためにソロモンに入り,ほそぼそながら同地のマラリア対策について引き続き協力がなされていた.

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バックナンバー一覧

ページ範囲:P.1402 - P.1402

「検査と技術」11月号のお知らせ

ページ範囲:P.1417 - P.1417

書評 医師の感情—「平静の心」がゆれるとき

著者: 徳田安春

ページ範囲:P.1493 - P.1493

医師の感情の凄まじい変化

 この本が書店に並べられて最初にタイトルを見かけた時,ある種の衝撃を受けた.というのは,タイトルは『医師の感情』であるが,副題が“「平静の心」がゆれるとき”となっていたからだ.「平静の心」とはオスラー先生が遺した有名な言葉であり,医師にとって最も重要な資質のことであったからだ.医師にとって最も重要な資質である“「平静の心」がゆれるとき”とはどういうときなのか,これは非常に重要なテーマについて取り組んだ本であると直観的にわかった.

 この本を実際に手に取ってみると訳本であった.原題は“What Doctors Feel”である.なるほど,この本はあの良書“How Doctors Think”(邦題『医者は現場でどう考えるか』,石風社,2011年)が扱っていた医師の思考プロセスの中で,特に感情について現役の医師が考察したものである.“How doctors think”は誤診の起こるメカニズムについて医師の思考プロセスにおけるバイアスの影響について詳細に解説していた.一方,この本は,無意識に起きている感情的バイアスについて著者自身が体験した生々しい実例を示しながら解説したものである.リアルストーリーであり,説得力がある.

次号予告

ページ範囲:P.1501 - P.1501

あとがき

著者: 佐藤尚武

ページ範囲:P.1502 - P.1502

 この“あとがき”は夏の終わりに書いています.ここ数年,猛暑・酷暑が続きましたが,今年の夏は,少なくとも私が住む関東地方は曇天が続き,気温もあまり上がりませんでした.関東地方には館林市や熊谷市といった,夏季にわが国の最高気温をしばしば記録する都市がありますが,今年はそのようなニュースを聞くことがほとんどありませんでした.その代わり,曇りや雨の日が多く,夏らしい季節感をあまり感じることができませんでした.しかも,平地部では雨が多く,川の氾濫などの被害が出ているにもかかわらず,山間部の雨量は少なく,水不足が心配される事態に陥っています.少し不思議な感じがしますが,うまくいかないものです.

 一方で,西日本は今年も猛暑だったようであり,その割には大雨の被害も出ていたようです.さらに,台風が3つも北海道に上陸したり,大型の台風が初めて東北地方に上陸したりするなど,今年も不順な天候に悩まされた夏でした.“異常気象”が当たり前になりつつある昨今です.

基本情報

臨床検査

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN 1882-1367

印刷版ISSN 0485-1420

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