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雑誌目次

雑誌文献

臨床検査65巻10号

2021年10月発行

雑誌目次

増刊号 なんだか気になる心電図

はじめに

著者: 境田知子

ページ範囲:P.979 - P.979

 心電図は“ただの線”なのに,たくさんの情報が詰まっていて,ベテランでも悩むことが多い.また,ラボデータとは違って数値では割り切れない波形であるから,曖昧なニュアンスで表現されることも多く,似たような波形でも目の前の患者の症状や状態によって,解釈や対応が変わってくる.

 昨今,心電図を学ぶための資料や参考書は山のようにあるが,その多くが初心者向けの内容や,典型的な症例提示が多く,検査をしている現場でありがちな,“アラート報告したほうがいいのか?”,“この変化は何だろう?”という「気になる心電図」に遭遇したときに,なかなか答えにたどり着けないケースが多いように思う.“ちょっと変だな?と思ったけれどスルー”,“アラート連絡済!”で終わらせていないだろうか?

1章 標準12誘導心電図

突然の左脚ブロック

著者: 井部進 ,   高月誠司

ページ範囲:P.982 - P.987

症例

 患者は80歳代,女性.図1に波形を示す.

—ST上昇してるけど①—心筋炎

著者: 中嶋美保子

ページ範囲:P.988 - P.991

症例

患者は30歳代,男性.図1に波形を示す.

—ST上昇してるけど②—Brugada症候群

著者: 長山医

ページ範囲:P.992 - P.996

症例

 患者は37歳,男性.図1に波形を示す.

ST上昇はなさそうだけど?

著者: 桝谷直司

ページ範囲:P.997 - P.1002

症例

 患者は50歳代,男性.図1に波形を示す.

STが変だけど,なんといえばいいのだろう?

著者: 柴田直紀 ,   森島逸郎

ページ範囲:P.1003 - P.1007

症例

 患者は54歳,男性.図1に波形を示す.

これって心房負荷…?

著者: 鈴木水緒 ,   河合昭人

ページ範囲:P.1008 - P.1011

症例

 患者は17歳,男性.以下に波形を示す(図1).

右胸心なのにⅠ誘導のP波が陽性

著者: 住友直方

ページ範囲:P.1012 - P.1016

症例

 患者は33歳,女性.出生時から右胸心,心房中隔欠損(atrial septal defect:ASD)を指摘されていた.欠損孔が小さかったため経過観察されていたが,カテーテルでの閉鎖を希望して埼玉医科大学国際医療センターに来院した.心電図を図1に示す.

巨大陰性T波を見たら

著者: 黒羽根彩子 ,   武井康悦

ページ範囲:P.1017 - P.1020

症例

 患者は70歳代,女性.図1に入院時の心電図波形を示す.

V1が普通じゃなさそう

著者: 古川明日香

ページ範囲:P.1021 - P.1026

症例

 患者は20歳代,女性.図1に波形を示す.

上から?下から?それとも?

著者: 里見和浩

ページ範囲:P.1027 - P.1032

症例

 患者は70歳代,男性.来院時の心電図を図1に示す.

QRS波形がwideだけど…

著者: 岩崎陽一

ページ範囲:P.1033 - P.1038

症例

 患者は80歳代,女性.救急外来時と定期外来時の心電図を図1,2に示す.

主訴:意識レベル低下,体動困難.

既往歴:発作性心房細動,洞不全症候群(Ⅲ型),高血圧症.

心室不整脈発症リスクの特徴的な所見があるんです

著者: 大野聖子

ページ範囲:P.1040 - P.1044

症例

 患者は44歳,男性.トラックの荷台で作業していたところ,突然,意識を消失した.すぐに心肺蘇生が開始された.自動体外式除細動器を装着したところ心室細動が記録され,除細動で洞調律に回復した.来院後の心電図を図1に示す.

胸痛の訴え

著者: 村石真起夫

ページ範囲:P.1045 - P.1049

症例

 患者は63歳,男性.図1に心電図波形を示す.

突然の胸痛

著者: 渡辺重行

ページ範囲:P.1050 - P.1055

症例

 患者は70歳代,女性.図1に胸痛時の心電図を示す.

典型的な胸痛ではないけど

著者: 石原正治

ページ範囲:P.1056 - P.1061

症例

 患者は70歳代,男性.以下に波形を示す(図1).

また胸が痛いんです

著者: 金谷智明

ページ範囲:P.1062 - P.1067

症例

 患者は60歳代,女性.図1に以下に波形を示す.

QTなの QUなの どっち?

著者: 稲垣夏子 ,   矢﨑義直

ページ範囲:P.1068 - P.1070

症例

 患者は13歳,男児.図1に波形を示す.

主訴:運動後の一過性下肢脱力.

現病歴:約2カ月前から数回,運動後に持続する下肢脱力を自覚していたが,数日で自然軽快していたため経過観察としていた.外出先で一時歩行困難となるほどの右上腕・両側大腿の脱力を認めたため,同日,精査目的で小児科を受診した.先行感染の既往はなかった.

小児の左軸偏位といえば…!

著者: 山岸敬幸 ,   浅野聡 ,   湯浅絵理佳

ページ範囲:P.1071 - P.1076

症例

 患者は1歳,女児.三尖弁閉鎖(Ⅰa型)があり,両方向性Glenn手術後であった(図1).

この波形はなんだろう?

著者: 加藤愛章

ページ範囲:P.1077 - P.1081

症例

 患者は12歳,男児.図1に波形を示す.図1aは20-1,図1bは20-2 12誘導心電図である.

—前回の波形と何かが違う…?①—前回みられなかった二相性T波が出現

著者: 中野宏己

ページ範囲:P.1082 - P.1087

症例

 患者は80歳代,男性.図1,2に12誘導心電図波形を示す.

—前回の波形と何かが違う…?②—前回みられなかった陰性T波が出現

著者: 沖都麦

ページ範囲:P.1088 - P.1094

症例

 患者は70歳代,男性.20年ほど前から収縮期雑音を指摘されており,大動脈弁狭窄症として近医で経過観察されてきた.坂道歩行で呼吸困難が出現するようになり,精査目的に当院を紹介され受診した.紹介時の心電図を図1に示す.

 この患者は15年前に一度,当院への受診歴があり,心電図検査が施行されていた(図2).

—前回の波形と何かが違う…?③—RR間隔が不整から整になった

著者: 新井陸

ページ範囲:P.1095 - P.1099

症例

 本例は肥大型心筋症で当院に通院中の患者である.

—前回の波形と何かが違う…?④—ST上昇はない,Q波はない,でもT波は?

著者: 伊苅裕二

ページ範囲:P.1100 - P.1102

症例

患者:72歳,男性.

既往歴:高血圧,高コレステロール血症.

現病歴:狭心症の既往はなかった.3日前に軽労作で20分間ほどの胸部絞扼感があったので,近医を受診した.心電図検査が行われたところ,不安定狭心症が否定できないので入院加療を勧められたが,本人がその病院を信用できないと思って自主的に帰宅した.2日前にも軽労作で胸痛があり,我慢していたが,今朝からやはり胸痛があったため,東海大学医学部付属病院(以下,当院)に来院した.当院への来院時には胸痛は消失していた.

2章 ペースメーカ

ペーシング波形に陰性T波が出現したら

著者: 五関善成

ページ範囲:P.1103 - P.1108

症例

 患者は70歳代,女性.図1に波形を示す.

ペースメーカ不全

著者: 山形研一郎

ページ範囲:P.1109 - P.1111

症例

 実際にペースメーカが入っている症例の心電図の見方を考えるための症例を図1に示す.

—急に速いペーシングが入っている①—急に速いスパイク様波形が! これノイズ!?

著者: 境田知子

ページ範囲:P.1112 - P.1117

症例

 患者は70歳代,女性.図1に波形を示す.

—急に速いペーシングが入っている②—心室頻拍?

著者: 石山泰三

ページ範囲:P.1118 - P.1123

症例

 患者は70歳代,男性.既往歴として拡張型心筋症と慢性心不全があり,心室頻拍(ventricular tachycardia:VT)アブレーション後,植込み型除細動器(implantable cardioverter defibrilator:ICD)植込み後であった.心電図所見を図1〜3に示す.

これってスパイクオンTですか?

著者: 林克英 ,   河野律子 ,   安部治彦

ページ範囲:P.1124 - P.1129

症例

 患者は70歳,男性.洞不全症候群に対してデュアルチャンバーペースメーカが植え込まれていた.その後も特に自覚症状はなかったが,かかりつけ医で施行された定期の12誘導心電図検査(図1)でスパイクオンTが疑われたため当院を紹介され受診した.

波形が変わってる?

著者: 中井俊子

ページ範囲:P.1130 - P.1135

症例

 患者は80歳代,女性.拡張型心筋症患による心不全に対して心臓再同期療法(cardiac resynchronization therapy:CRT)の植え込みを行い,レスポンダーとなって約12年が経過していた.ある日,体調がすぐれないため受診した.その際の心電図を図1に示す.参考までに,図2にCRT導入時に施行したCRT前後の心電図,心エコー,胸部X線写真を示す.

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目次

ページ範囲:P.980 - P.981

バックナンバー「今月の特集」一覧

ページ範囲:P.1136 - P.1136

基本情報

臨床検査

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN 1882-1367

印刷版ISSN 0485-1420

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