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雑誌目次

雑誌文献

臨床検査9巻12号

1965年12月発行

雑誌目次

特集 日常検査法の基礎知識と実技 基礎技術

遠心器のとりあつかい

著者: 鈴田達男

ページ範囲:P.1049 - P.1054

 遠心器は各検査室であまりにありふれた器械であるために,日常なにも疑問をおこさずに使っていることが案外多い,しかしひらきなおって遠心力とは何か,遠心器でまわせばなぜ血球と血清を分離できるのか,といった基本的な問題を聞かれるとわからないことが多いのに驚く,そこでこれらの点について堀り下げてしらべてみたい。

標準溶液の作り方

著者: 吉田光孝

ページ範囲:P.1055 - P.1058

 化学分析の根底をなしているものは重量分析で,重量の測定の規準は分銅にある。分銅は計量法に基づき,きわめて正確かつ精密に一定の規準に合致させられているから最も信頼できる。また重量から得られた値は正しい分銅をそなえた検査室であるかぎり,同一試料について同一の値を与えるであろう。しかしこの方法の実施は多くの場合長時間を要し,また乾燥条件を一定にする点が困難であるため日常検査法としては採用されない。したがって有効物質の含有量が正確に知られた標準溶液を調製して,一定量の被検液中の目的物質の濃度を対比して測定することが多い。ここでは調製試薬の中で基礎となる標準溶液調製の基本操作ならびによく用いられる酸・アルカリ規定液,酸化剤・還元剤規定液の代表的なものの調製法について説明することにする。
 標準液の作り方の概要はまず一定量の純物質の秤量にはじまり,次に一定量器中で溶媒への溶解により一定濃度の標準溶液が得られる。また必要に応じ温度補正の操作が入る。

滅菌法および検査室内感染予防

著者: 土屋俊夫

ページ範囲:P.1059 - P.1065

I.滅菌法
 ある物体に附着あるいは生活しているすべての微生物(細菌,ウイルス,原虫など)を完全に死滅または除去させることを滅菌という。滅菌された物体の状態を無菌状態であるという。
 微生物を量的,質的に減らして感染能力,発病能力をなくすことを目的とする消毒とは区別されなければならない。

pHの意義,簡単な測定法

著者: 丹羽正治

ページ範囲:P.1066 - P.1070

I.水素イオン濃度とpH
1.水素イオン濃度
 水溶液の酸性,アルカリ性の程度は,その中に含まれている水素イオンHや水酸イオンOHの量によってきまり,Hイオンが多いほど酸性が強く,またOHイオンが多いほどアルカリ性が強いことはよく知られている。
たとえば,0.1NHCl (3.65g/l溶液)では,ほとんど電離しているためHCl⇄H+Cl

顕微鏡のとりあつかい

著者: 長田富香

ページ範囲:P.1070 - P.1077

 顕微鏡検査を行なうにあたっては,まず第一に顕微鏡の構造,機能および正しい使い方を十分熟知修練し,自分の眼の一部のようにこれを自由自在に使いこなさなければならない。またそのためには顕微鏡がいつもベストコンディションで使えるよう正しく管理されていなければならない。

冷蔵庫,ディープフリーザー,恒温装置のとりあつかい方

著者: 福岡良男

ページ範囲:P.1077 - P.1079

I.冷蔵庫
 冷蔵庫には氷冷蔵庫と電気冷蔵庫とがあるが,氷冷蔵庫は10℃以下に保つことがむずかしいうえに,排水管がつまったり,微生物が繁殖しやすいので,検査室での使用には適当でない。電気冷蔵庫を使用することが望ましい。

蒸留水のつくりかた

著者: 松村義寛

ページ範囲:P.1080 - P.1082

 臨床検査の実施にあたって水を使うことは多い。染色標本の水洗,ガラス器具の水洗,試薬の調製,培地の作製など,直接検査そのものに必要となる水もあれば,冷却用水,水浴に入れる水も必要であり,さらに検査室の掃除にも多量の水を必要とする。
 水道が完備し,良質の水が常に供給せられている限りはたいていの用途に用いられるものであるけれども,水道水は漸次高価となってくるので多量に使用する場合には支障のない限り安価な水を求めることになる。

試薬のとりあつかい,保存

著者: 松田誠

ページ範囲:P.1083 - P.1086

I.試薬の純度
 試薬の純度保証にはJIS(Japanese Industrial standard)規格が適用されており,このほか日本薬局方(Japanese Pharmacopeia)で定めた純度規格もある。JIS規格は純度により特級と一級に区別され,特級はより高純度を示す。その他試薬の純度の標準として用いる容量分析用標準試薬として8種類のものが規定せられ0.01%の精度をもって明記されたものがある。自分の使う試薬が,どの純度であるべきかをよく老え,また指示にしたがって,使わねばならない。製造所が注意を払って作ったものでも,なにかの間違いで,表示してある純度よりも低い製品のはいっていることがあるから注意すべきである。日本薬局方は人体に使用することを考えて作られた純度規格である。

感染材料のあつかい方,保存

著者: 井上恵美子

ページ範囲:P.1086 - P.1090

はじめに
 医師は病気を一刻も早く診断して正しい治療,予防をはじめ,またその治療が適切であるかどうかをできるだけ正確に判断しようとして最大の努力をはらっている。臨床検査は正しい診断と治療経過にはなくてはならないもので正しい検査成績を出すにはなんといっても速やかに検体が検査室に届けられることが大切である。しかし検査室以前の問題,すなわちはたして適切な材料が採取され提出されたかが最も大切なことになってくる。医師,運搬者,検査員(容器,培地を含めて)が一体になってこそ正しい検査成績が得られるわけである。以下感染症の材料のあつかい方,保存についてのべる。

天秤・比重計・温度計ガラス製計量器のあつかい

著者: 石井暢

ページ範囲:P.1090 - P.1095

I.計量器に関する常識
 表題のものはすべて計量器に属するものて正確精密に種々の計測をするために用いられる。これらの器具によって計測された結果は正確でかつ普遍性がなげればならない。そのために日本では計量法という法律が制定されそれによって製造,検定,販売などが規制されている。
 したがってこれらに準拠して製造され検定をうけた計量器を正しく使用すれば,一定の誤差範囲内で正しい結果を得ることができ,その結果には普遍性が認められる。

ガラス器具の洗浄

著者: 茂手木皓喜

ページ範囲:P.1095 - P.1098

はじめに
 ガラス器具を清浄にすることは化学分析の第一歩であって,したがってその重要性は今更のべるまでもない。しかし,それぞれの用途に応じて,それぞれの程度に洗浄することの知識が充分でないようにみうけられる点もあるので,ごく基本的な知識について次に紹介した次第である。

危害予防

著者: 松村義寛

ページ範囲:P.1098 - P.1101

 臨床検査室にはいろいろな危険が存在する。患者からの試料は感染の危険を有する細菌,ウイルス,寄生虫などを含んでいることもあり,検査に用いられる機械器具は感電,漏電,火災の原因になることがあり,試薬は中毒,爆発,外傷などを惹起こすこともありうる。
 このような危険の源泉について技術者自身の安全と,技術者を介して第三者におよぼす危害に対しての予防手段を考えてみよう。

数値の扱い方・データ管理

著者: 北村元仕

ページ範囲:P.1102 - P.1107

 検査成績は多くが数字で提示される。本項ではこの数値の扱い方の基本をかんたんに説明し,これを基にして正しい検査データを出すための具体策を述べる。

成績の整理と報告の要領

著者: 小酒井望

ページ範囲:P.1107 - P.1108

 中央検査室制度をとっている病院でも,医師会臨床検査センターでも,検査の依頼,成績の報告はすべて伝票システムで行なっている。また検査行為には当然報酬が伴うので,料金の請求もこの伝票システムにのせて,同時に行なわれる。
 臨床検査室では毎日多数の検査が行なわれる。個々の検査を迅速にかつ正確に行ない,正しい検査成績を出すことは技師の第一の義務であるが,検査にとりかかるまでに検体の取扱いに間違いがあってはならないし,また検査成績が誤りなく担当医の手許に屈くようでなければせっかく正しく行なった検査が,全く無駄になってしまう。

細菌学

寄生虫検査の基礎

著者: 大島智夫

ページ範囲:P.1109 - P.1114

I.寄生虫検査における虫卵検査法の限界
 寄生虫検査といえば,なんでもかでも検便だけというのは,寄生虫に関してきわめて貧弱な知識しかもたぬ証拠で,これでは信頼できる寄生虫検査ができるはずがない。糞便中に虫卵が出現するはずのない多くの人体寄生虫は全く意に介せられることなく,糞便のずさんな検査で寄生虫陰性と報告されるのが多くの病院検査室の実情であり,なぜこの寄生虫の検査にはこの方法を使用するか,また多くの寄生虫の寄生の可能性があるばあいにいかなる検査法を組合せて検査すべきか等の基礎知識を確実に把握しておき,寄生虫検査のうち検便による虫卵検査はその一部であることをよく知っておく必要がある。そのため下記のごく簡単な生物学的事項は検査法に関連してぜひわきまえておかねばならぬ。

塗抹標本の作り方・みかた

著者: 上條清明

ページ範囲:P.1114 - P.1117

はじめに
 臨床材料の細菌検査では塗抹標本を鏡検することが最初の手がかりとなるので慎重にとりあつかわなければならない。これによつて分離培地,検査培地の種類を決定し,動物試験や免疫学的検査が必要かどうかも決まる。また検査がある程度すすんでからもう一度最初の材料をみたくなる場合もあるが,病材料の塗抹標本は最初に精細に観察しておくべきで,あとになってみなおすと時には検査成績に影響された主観が入るおそれもあり,ことに被染性などは時間の経過につれて変化するので注意を要する。病材料が均一でない場合には均等化して塗抹するとか,各種の染色法をおっくうがらずに施してみるとか,とにかく遺漏のないようにしておかないと必ず後悔することになる。時には同一患者の各種の材料について同時に塗抹標本を作ってみることも必要であろう。

無菌操作の理論と実技

著者: 橋本雅一

ページ範囲:P.1118 - P.1123

I.無菌操作の基本的事項
 細菌の汚染を問題とするあらゆる分野において,特に細菌学的操作を必要とする分野においては,器具の滅菌,無菌的な取扱い,汚染物件の消毒を含めた広い意味の無菌操作が,最も重要な基本的手技の1つとして要求される。そしてこれらの手技は,われわれがまず対象物件(これには当然患者も含まれる)から検体を取出して検査を始めるまでの段階において,また検体から目的とする微生物を選びだす操作において,さらにその性状を検討して微生物を同定するにいたるまでのすべての段階において,厳重に守られなければならないのである。したがって,広い意味での無菌操作に含まれる基本的事項は,
1)検体に含まれる微生物群は,できるだけ当初のままの条件で操作できる状態におくこと。

各種臨床材料の細菌検査の要領—結核菌の薬剤耐性測定法

著者: 高橋昭三

ページ範囲:P.1123 - P.1128

 臨床材料として提出されるものはいろいろであるが,提出の目的は,すべて病原菌の有無を確認する報告を早く得たいことである。
 細菌検査の一つの特色は,全くの病原菌,たとえば腸チフス菌などを,臨床材料から証明した場合は,その他の症状,所見がどうであっても,患者はその菌の感染症と診断が確定することである。検査の結果は,その他のどんなデータよりも重大なことが多いのである。尿から淋菌を検出した場合もそうである。他の所見の如何を問わず,患者の淋菌感染症の診断が確定する。これは時には患者の人格を左右することさえある。また,反対に,腸チフス菌,淋菌の検出に失敗し,確認ができず,陽性であるべきものをみのがした場合には,他に患者が発生する可能性,つまり家族をふくめて他の人に伝染する機会が生じうる。検査技術者のおわねばならない責任の重さを考えねばならない。すなわち,技術者が責任ある報告を出すことは,時には人の人格をまもり,時には何人もの人を,伝染病からすくうこととなる。その逆の場合には,人身傷害をおこしうるということである。検査には,どれほど慎重を期しても,すぎることはないが,無駄な時間を費してはならないことがわかろう。

各種細菌の同定検査—化膿球菌の同定検査

著者: 善養寺浩 ,   大久保暢夫

ページ範囲:P.1128 - P.1135

 化膿を広義に解釈すれば,ある種のグラム陰性桿菌も起炎菌のなかに含めなければならないが,通常の化膿性炎の原因菌として重視されるのは,ブドウ球菌とレンサ球菌であり,化膿巣の病原検索の対象としては,原則としてこの両球菌があげられる。したがって,この項ではブドウ球菌ならびにレンサ球菌の検査から同定までの要領について述べる。

各種細菌の同定検査—腸内細菌と類似菌

著者: 中谷林太郎

ページ範囲:P.1135 - P.1140

I.腸内細菌
 腸内細菌科の菌群として分類されているものには赤痢菌,大腸菌,サルモネラ,アリゾナ,シトロバクテル,クレーブシエラ,エンテロバクテル,セラチア,プロテウス,プロビデンスがある。これらのうち原発的にヒトに赤痢,チフス,食中毒などの病気をおこし,そのゆえに臨床検査で重要な病原菌としては,赤痢菌,サルモネラ(チフス菌,パラチフスA菌およびB菌を含む),アリゾナ,および大腸菌のうちの一部の,いわゆる病原大腸菌がある。他の菌群の菌は尿路感染症,気道感染症などの原因となったり,諸臓器の病巣から分離されることも多いが,むしろ腸内常在菌叢として上記の病原菌の分離同定の際に鑑別を必要とする場合が多い。
 本文では腸内細菌の各菌群の定型的なものを培養検査により大まかに推定し固定するための手順を,一般臨床検査の実際に即するようのべる。したがって,上記各菌群中(赤痢菌・大腸菌),(サルモネラ・アリゾナ・シトロバクテル),(クレーブシエラ・エンテロバクテル・セラチア),(プロテウス・プロビデンス)の各カッコ内の菌群同志は互いに近似した性状をもつものであることを念頭においていただくと理解と応用に役立つと思う。

血清学的検査実技

著者: 長田富香

ページ範囲:P.1140 - P.1144

はじめに
 臨床細菌学的診断にさいして,各種の材料より検出された菌については,その生物学的性状を調べる一方,血清学的性状を調べて両方面より分離菌の同定が行なわれる。また患者血清中の抗体価の推移を調べて診断の一助とされることがある。血清学に関する基礎的事項は血清学の項を熟読していただくこととし,ここでは臨床細菌学領域において実地に必要な手技に重点をおいて述べたいと思う。

病理学

主要臓器の肉眼的鑑別

著者: 清水興一

ページ範囲:P.1145 - P.1147

はじめに
 私に与えられたテーマは主要臓器の肉眼的鑑別であるが,臓器全体であればもちろんたとえ臓器の一部であってもそれがある程度大きい組織片であれば肉眼的に鑑別がいたって容易であろう。また解剖あるいは手術によりとり出された臓器を実際にみる機会があれば,大部分の臓器の鑑別は容易にできるようになる。すなわち「百聞一見に如かず」ということである。したがってここでは技術者の方々が接する機会の多い,すでに切出された臓器,組織片の肉眼的鑑別についてのみ述べることにしたい。切出しは原則として,手術材料でも剖検例でも標本を検鏡する人,(病理医)が行なうのが最も適当である。なぜならば病理組織学的な診断は肉眼的所見と顕微鏡的所見の両方を併せ知ってこそ,正確さが期待できるからである。しかしながら技術者もまた組織片についてその臓器組織が何であるかを鑑別できることが次のような点から必要となるであろう。
 ①包埋の時に組織片の二つの切り口(割面)のうちどちらを包埋皿の下に置くか,つまり薄切の場合に組織片の両面のうち,どちらから標本を作るかの判定には臓器組織についてのある程度の知識が必要である。たとえば腎では皮質,髄質および腎盂のいずれもが,一枚の標本に入るように切出すのが通常であるが,組織片ではこの三つの部位が一方の面では入っているが,他の面では,乳頭腎盂の欠けた割面ができることがある。また小さい病巣では組織片の全層にわたっていないことがある。

常用固定法の基礎知識と実技

著者: 橋本敬祐

ページ範囲:P.1148 - P.1153

I.固定に関して実地上大切なこと
 数多い固定液の性状をよく知って使いわけることはもちろん大切である。Romeis著Mikroskopische Technik第15版1)をみると約50種の固定液がのっているが,固定液の選択を誤ればどんな染色法を用いてもみたいものがみられない結果に終ることもある。たとえば脂肪滴を検出するのにAlkoholやAcetonを固定に使えば脂肪が溶けてしまう。本当は固定液の選択は病理医の責任に帰するのであって,その検査室の仕事の性質によっていわゆる常用固定液の種類はおよそきまってしまうものである。たとえばホルマリンとCarnoyの組合わせとか,それにZenkerなどの昇汞重クロム酸カリ系統の固定液を加えるとかのたぐいである。以上の3系統にしてもそれぞれ相等数の変法があって名前だけでもZenker,Helly,Maximowなどとわずらわしい。しかし数十種もの固定液をただ無定見に次々と渡り歩くのは,ある段階では致し方ないとしても少くともルーチン・ワークとしては好ましいことではない。やはり少数の常用固定液をきめておき,それを完全に使いこなすように工夫するほうがよい。これは写真のフィルムや現像液をやたらにかえる人がけして利口でないのと同じであろう。

包埋と薄切

著者: 竹内正 ,   桜井勇

ページ範囲:P.1154 - P.1159

 本特集号の目的にそい,一応の手技・操作上の知識は他の教科書1)2)3)にゆずることとし,方法は簡単に記すにとどめ,主に日常注意すべき誤りやすいことや,要領を記述する。
 病理組織標本作成上の一般的な心がまえとして.現在は解剖材料の他に生検手術材料が増加しているので,迅速かつ正確に,すなわち,検体の番号を絶対にとりちがえないことが,最も基本的な注意である。

染色

著者: 馬杉洋三

ページ範囲:P.1159 - P.1163

緒言
 臨床検査一般の業務の場合と同じく組織切片染色の上達法も幾百の理論を知るよりもまず慣れることである。一般的にいって染色とは各種色素に対する組織あるいは細胞構成成分の物理化学的親和性の差を利用して組織切片を異なった色で染めわけ顕微鏡的観察に便ならしめたものである。その際の検鏡の目的に応じて各種の染色法およびその変法が考察されておりその理論および実際はどのような染色の成書にもくわしく述べられている。それゆえここではそのうち最少限に代表的なもののみを取りあげその概略と実施上の要点注意を記すつもりてある。

病理検査室における器械設備の知識

著者: 内海邦輔

ページ範囲:P.1163 - P.1167

I.まえがき
 私に与えられたテーマは"病理検査室における器械設備の智識"ということであるが,これは検査室の規模の大小で違ってくる。ここでは一応500〜1,000床病院を想定し,主として日常業務に必要な器械器具について述べる。紙数の制限があるので,個々の器械類の取扱法の詳細は割愛する。中央検査室病理部門を新設したり,拡充したりするときなどに参考になれば幸いである。

血液学

血液学的検査法総論

著者: 寺田秀夫

ページ範囲:P.1175 - P.1183

I.はじめに
 近年,放射性同位元素を用いる赤血球生存日数の測定,鉄代謝の探求,クームス試験をはじめとする免疫学的検査,酵素や核酸代謝に関する生化学的研究の進歩,位相差顕微鏡や電子顕微鏡を用いる血球形態の観察など,血液学的検査にも多くの進歩をもたらせられ,かつ専門的技術が必要となりつつある。しかし従来から用いられている一般的血液学的検査を確実に行ない,そして有効にその成績を組合せて診断すれば,ほとんどの血液病が診断可能である。今回はこれらの基礎的検査法のなかでも,最も肝要な採血法と血液取り扱かい上の注意点,抗凝固剤の使用法ならびに一般血液学的検査の意味づけとなる医学的知識につき,できるだけ平易に述べてみたい。

血液形態学的検査法(1)—I.ヘマトクリット(赤血球容積)測定

著者: 新谷和夫

ページ範囲:P.1183 - P.1190

1.基本的事項
 血液は有形成分(赤血球,白血球,血小板)と無形成分(血漿)に大別できるが,正常人では全血液に対するその百形成分,特に赤血球の占める容積の比はほとんど一定の値(女42,男47%)註1を示すことがしられている。なおこれの減少,増加は各種の貧血,多血症などで認められるのでその診断上きわめて有用である。測定法は種々あるが註2,特定の試験管に凝固阻止した血液を入れて遠心沈澱し赤血球容積を算出するヘマトクリット法が簡便で精確度も高いので好んで用いられている。なお本法では副次的に白血球数,血小板数,血漿ビリルビンの多少についても概測できる。

血液形態学的検査法(2)

著者: 原島三郎

ページ範囲:P.1190 - P.1196

I.はじめに
 血液の形態学的検査は基本的な検査であり,かつ臨床的に重要な検査なので,実際に検査にあたっている人が血球形態学についての正確な知識をもち,自分のしている仕事が色々の病気の診断と治療に役立つことを知ることは意義深いことと思われる。このような考えからまず血球の分化と分類法,疾患による血液像の変化,幼若細胞の鑑別についてのべ,最後に血液像の正常値を附記した。

血液凝固に関する検査法

著者: 藤巻道男

ページ範囲:P.1196 - P.1204

I.総論
 血液凝固に関する検査は,出血性素因の診断と,その治療効果を知るために必要である。血液の凝固検査を行なう場合に,1)凝血機序の知識2)検査法の意義および,3)正確な測定手技によって施行されなければならない。得られた検査成績により複雑な凝血過程のどこの部分に障害があるかを知ることができる。
 血液凝固論は,古くMorawitz (1904)が古典的学説を提唱して以来,多数の因子が証明され今日にいたっている。検査にたずさわる方々に理解されやすいように説明する。

その他の血液学的検査法

著者: 福岡良男

ページ範囲:P.1204 - P.1212

I.赤血球抵抗試験
 Duncan (1867)が萎黄病患者の低張食塩水に対する赤血球抵抗試験を報告して以来Hamburger (1883)らによって多数の赤血球抵抗試験法が考え出された。
赤血球抵抗試験法のうち代表的なものを列記すると,1)低張食塩水法

血清学

血清学概論

著者: 鈴田達男

ページ範囲:P.1213 - P.1220

I.抗原抗体反応にあずかる因子
1.抗原と抗体
 ある動物になにか異種の物質,たとえば種の違う動物の血清や血球を注射したり,あるいは細菌の侵入をうけたりすると,その動物の血清中には注射された物質や侵入した細菌と特異的に反応するものが出現する。この血清中の物質は「外から侵入した異物に対抗するもの」という意味で抗体とよばれ最初侵入したもののことを「抗体を産生させるもとの物質」という意味で抗原とよんでいる。
 この抗原と抗体とはどちらか一方だけを切りはなして単独に定義することはむずかしい。たとえば抗原の定義として教科書には次のように書いてある。「抗原とは生体中に侵入したときにこれを刺激して抗体を形成させ,これと特異的に反応する物質である」こういってもそれは抗体に責任を転嫁しただけであって,「しからば抗体とはなんぞや」と聞かれると「抗原によって産生され,それと反応するもの」と答えるのではいつまでたっても堂々めぐりで少しも問題の解決にはならない。血清学が理解しにくいと考えられる原因の一つはこのような定義の不明確さにあるのかもしれない。したがってあまりむずかしいことを考えずに抗原と抗体とをひっくるめて最初のように理解するのが一番無難なように思われる。

材料の取扱い方と保存法

著者: 堀越晃

ページ範囲:P.1221 - P.1223

はじめに
 血清反応に用いる患者血清,赤血球,補体,抗血清,抗原類などはその性質と使用法を正しく理解して取扱かわないと,細菌によって汚染されたり,溶血を起こして使えなくなったり,いろいろな原因で検査結果に影響を及ぼすことが多いから慎重にあつかわなければならない。
 検査材料は新しいうちに使ってしまうののがよいことほもちろんであるが,抗血清,補体,抗原などは所定の温度に長い間保存しておき,必要に応じてその一部をとって使うのが普通である。これらの材料について実際的な取扱い方といろいろな保存法について説明していきたいと思う。

補体のあつかい方

著者: 堀越晃

ページ範囲:P.1223 - P.1225

はじめに
 補体は主に補体結合反応や溶菌反応などに用いられているが,その性質はきわめて複雑であり,あつかい方を充分に心得ていなければ,よい検査結果は得られない。
 補体結合反応では,補体単位のとり方が検査結果に最も影響するので正しい補体価の測定をすることが大切である。ここでは梅毒補体結合反応である緒方法を中心に,補体についての実際的な取扱い方をのべてみよう。

ピペットさばき

著者: 堀越晃

ページ範囲:P.1225 - P.1228

 血清学的検査の基本的な操作はピペットさばきである。血清反応では液の測定,稀釈,分注などすべてピペットを用いておこなうので,早く正確な操作が要求される。特に抗体価の測定のような定量的な検査が多いから,ピペットさばきによる影響は大きい。また一般につかわれているメスピペットは口と指で操作するから,手指は常に清潔に心がけて傷などをつけないように注意することが大切である。
 ピペットは目的に応じていろいろな種類があるが,最も多くつかわれているのがメスピペットと毛細管ピペットの2種類である。また最近は正確でしかも能率よく分注できる電動式の自動分注器が普及して,多数の検体を扱う検査室で利用されるようになってきた。

動物の注射法,採血法

著者: 臼井美津子

ページ範囲:P.1229 - P.1230

 臨床検査における血清学の分野でとりあつかう実験動物は主としてウサギとモルモットである。ウサギは,溶血素(抗ヒツジ赤血球),抗ヒトglobulinなどの抗血清をつくるのにもちいられ,モルモットは補体血清をうるために飼われている。したがってここでとりあげる注射法,採血法は,ウサギの免疫注射の方法,ウサギ,モルモットの採血法に限られるようである。

赤血球の洗い方

著者: 臼井美津子

ページ範囲:P.1230 - P.1231

 血液は採血してそのままにしておくと凝固し,血清と血餅にわかれる。赤血球をうるためには凝固を防ぐなどの処置をしてなるべく多くの遊離した赤血球をうるようにする。しかし血清を分離したあとの血餅からも遊離の赤血球をうることもできるが収量はおちる。

輸血に関する検査法

著者: 臼井美津子

ページ範囲:P.1231 - P.1236

 輸血の実施にあたって第一に要求されることは,安全な輸血,有効な輸血である。安全な輸血とは,輸血の実施中または実施後におこりうる副作用および不規則抗体の発生とか梅毒,肝炎などの感染をできるだけ予防した輸血であり,有効な輸血とは,輸血された血液が受血者の体内で不自然に破壊されることなく正常な機能をいとなんで輸血の目的を達することである。輸血のための検査はすべてこの目的のために行なわれる。血液型の適合した血液をえらんで輸血することが第一条件であるが,それと同時に健康者の健全な血液をえらぶことも更に大事なことである。そのために血液の比重,血色素量の測定,さらに梅毒血清反応などがおこなわれる。
 輸血された血液が健康な健全な血液であっても,受血者がたまたまその輸血された血液の血球成分あるいは血清成分に対する抗体をもっていると,受血者の体内で抗原抗依反応がおこり,そのために発熱やじんましん,悪感などの副作用があり,ひどいときにはショックをおこして死亡したりする。一方輸血された血液も抗体のために寿命が著しく短縮され,すみやかに破壊されてしまう。また逆に,給血者の血清中に,受血者の血球に対する抗体があると,受血者の体内で受血者血球に結びついてすみやかに受血者血球は破壊されてしよう。

梅毒血清学的検査法に関する諸注意

著者: 松橋直

ページ範囲:P.1236 - P.1238

 梅毒血清反応にかぎらず一般の血清学的検査法に共通でしかも基本的なことは,抗原抗体反応に基ずく原理をよくのみこむことである。したがって,抗原抗体反応を総論的にあつかった本編の各項の理解が先ず第一に必要であるが,ここでは梅毒血清反応の日常検査に必要な諸注意を検査材料の取扱い,検査法の実施計画,各種検査法の注意事項,検査成績の検討などについて,その要点を述べることとする。

生理学

臨床生理検査総論

著者: 樫田良精

ページ範囲:P.1239 - P.1240

 現在日常検査として行なわれている臨床検査を大別すると,患者から採取した材料,すなわち検体あるいは試料を検査するものと,検査するには患者の身体そのものが必要なものとある。前者の検体検査はそれぞれの専門に分かれて行なわれ,病理,細菌,血清,血液,臨床化学などの諸検査がこれに属する。後者,すなわち患者検査には生理検査,機能検査,生物学的反応検査,内視鏡検査,X線検査,ラジオ・アイソトープ(RI)検査などがある。患者検査の大部分は従来医師の協力者として看護婦,X線技師が加わって行なわれていたが,臨床検査技術の進歩と共にそれぞれの専門の知識と技術を身につけた検査技師の協力が必要になってきた。
 現在大規模の中央検査室の生理部門で行なわれる主なものには心電図・心音図・脳波・筋電図・基礎代謝・呼吸機能・心臓カテーテルなどの諸検査がある。この中で,心電図・脳波・基礎代謝は日常検査として最もよく使われているので日本臨床病理学会の2級生理の実技試験でも現在この3つがとりあげられている。これらの技術の詳しい解説については次の各論を参照されたい。

基礎代謝

著者: 井川幸雄

ページ範囲:P.1240 - P.1247

I.基礎代謝の生理学
 基礎代謝(Basal metabolism)とは,早朝空腹時,絶対安静状態(睡眠していない)でのエネルギー代謝のことで,そのとき生体の生産する熱量(単位はカロリー,Calorieをいう。このような状態でも生体内では心筋,呼吸筋などは活動しており,そのほかの腺,粘膜などでの分泌,吸収などはある程度活動しており,熱産生がみられる。また,やや特別な場合としては,成長期や消耗性疾患からの回復期には体成分の合成が進行しているので,このためのエネルギー代謝も必然的に基礎代謝のなかに入ってくる。
 つぎに基礎代謝に関係の深い生理的な因子をいくつかあげて説明する。

脳波

著者: 本間伊佐子 ,   江部充

ページ範囲:P.1248 - P.1254

I.脳波の電気生理
 生きている細胞から生体電気のあらわれることは古くより知られていたが,1875年に英国のcatonが動物の脳に電気活動のあることを認め,ついで1924年にドイツの精神医学者であるHans Bergerが人間の大脳の電気活動の記録に成巧し,それを脳波Electroencephalogramとなづけて以来数多くの研究が行なわれてきた。最近のめざましいエレクトロニクスの発展に伴う装置の普及とともに,脳波検査は急速の進歩を示し,今日では脳の働きをとらえる唯一の方法としてなくてはならない検査方法となっている。
 しかしその現象が単純でなく,また非常に微弱な電気活動であるために,その取り出し方にきまった方式がなく,各自適当と思われる検査方法を用いていた状態であった。最近その対策として,国際脳波学会が基準となるような脳波検査技術指針を提案している。わが国でも脳波計については日本工業規格(JIS)によってその性能が規定されている。規格にあった脳波計については問題はないが,記録の方法や整理のしかたなどはまだ検査室によって異なった方法が随時用いられているので,その記録所見は検査室外にもち出されても通用するものでなければならない。

心電計

著者: 長尾透

ページ範囲:P.1255 - P.1266

I.心臓の電気生理と心電図の図形
 心臓は胸腔内で,左右の肺に囲まれた中にあって,心膜とよぶ滑らかな膜で包まれ,横隔膜の上にのっている。正中線から,やや左側に偏して位置している。心脳の尖端を心尖といい,この部は正常の場合左の第5肋間で,乳線を通る鉛直線(乳頭線)のやや内側に相当する。心臓の壁は主として心筋線維からなる心筋層で,その外面は心外膜,内面は心内膜とよぶ薄い膜で被われている。心臓は筋肉の袋で,その内腔は4つの室からなっている(図1)。すなわち,左右心房と左右の心室である。心臓の各室の壁は心筋線維という筋層からなり,心房の壁は比較的薄いが,心室は厚い。右心房と左心房の境には,タテの隔壁,心房中隔が,右心室と左心室の境には心室中隔があって左右の室を区切っている。
 心房と心室との収縮のための命令伝導系として神経のような働きをする特殊の心筋線維があり,これを刺激伝導系という。

臨床化学

臨床化学検査法概論

著者: 松村義寛

ページ範囲:P.1267 - P.1270

はじめに
 個々の患者についての病状を正しく把握し妥当な診断を下し,的確な治療をほどこすのが担当医師の責務である。病状を正しく把握するためには医師の経験,学識が重要であることはいうまでもないことであるが,さらに病状の客観的認識,客観的表現も要求せられるものである。
 患者の状態を客観的に認識する手段を臨床検査とよび,その方法が臨床検査法であって検査方法が立脚する科学の分野にしたがって検査方法も分化し分類せられている。

尿,糞便の定性検査,尿沈渣

著者: 大森昭三

ページ範囲:P.1271 - P.1277

はじめに
 一般臨床検査士,二級試験などの受験者諸君をみていて感ずることであるが,ある一つの検査種目に対して一種類の方法,それも試験紙などを用いる,いわゆる簡易検査法しかやったことがないという人が最近特にめだつようである。簡易検査法必ずしも不正確なものではなく,従来の方法より秀れたものも多いのであるから,日常の検査業務能率化のためこれらを積極的にとり入れることはむしろ推奨すべきことと思われるが,自分の使っている試験紙にどのような試薬が含まれ,どのような反応機構が応用されているかを全く知らない人が多いということはどうであろうか。もちろん詳細にわたるすべての知識を要求するものではないが,少なくともその概略を知っているかどうかが試験紙の取り扱かい方その他に格段の相違となってあらわれるものである。
 定性検査は手技が簡単であるため兎角軽視されがちである。しかし手枝が簡単であるということは裏をかえせばそれだけ特異性に欠けるということであり,特にわれわれの取り扱かう尿,糞便のように食餌により,薬物により,また生理状態によって組成の変動の激しいものでは偽陽性,偽陰性反応の起こる可能性の多いことを常に考慮する必要がある。これらを適確に区別するためには用いられている試薬の性質,その反応機構などが十分に理解され,かつ十分な経験が積まれなければならない。また一つの方法のみに頼ることも誤差の原因となるので避けなければならない。

比色分析

著者: 高原喜八郎

ページ範囲:P.1278 - P.1289

はじめに
 現在,世界中のどんな臨床化学検査室をのぞいてみても,光電比色計をそなえていないところはおそらく1つもないであろう。約20年以前の化学分析定量のキメ手としては化学天秤で沈澱物を秤量して定量したり,ビュレットを使用して中和滴定等による容量分析が主流であったことをふりかえるならば,斯界の進歩のすみやかなことに奔流の激烈さを感じる。光電比色計の使用による比色分析は,現在の臨床化学分析業務の7割ちかくまでを占めているが,このことは比色分析法が重量分析法や容量分析法に比して,微量の試料で正確迅速に結果を出すことができるからにほかならない。そしてこのことは臨床化学検査の最大必須条件でもある。本稿では比色分析の平易な入門を目標として以下解説する。

容量分析法

著者: 高木康史

ページ範囲:P.1289 - P.1293

I.定義と用語
 容量分析法とは定量せんとする成分と定量的に反応する濃度既知の試薬溶液の体積を測り,この体積から求める成分の含量を算出する方法をいう。重量をはかることが主な操作であるとき重量分析法というのに対比して体積(容量ともいう)を測ることが主な操作であるとき容量分析法といい,体積分析法とはいわないならわしである。
たとえば次の化学方程式において,AgNO3+HCl=AgCl+HNO3

タンパクに関する検査

著者: 坂岸良克

ページ範囲:P.1294 - P.1302

はじめに
 タンパクの術語Proteinはギリシャ語の"第1人者"からきているといわれる。生物体を構成する有機物質のうちで第1の成分であるタンパクは,生体そのものであり,生物反応の主役でもある。本篇ではタンパクに関する検査を論ずるに先立って,検査の対象であるタンパクについて,その特性,形態および働きについてまとめ,ついで個々の検査にふれることとする。

糖に関する検査

著者: 紺野邦夫 ,   牧野義彰

ページ範囲:P.1303 - P.1309

はじめに
 糖質代謝の異常によって血液中の糖の濃度の上昇または低下,尿中への糖の出現をみる。正常な場合においては,血糖値は肝臓から血液への糖の供給と血液から体内の組織への糖の放出とが釣合った状態にあり,この調整は内分泌系,神経系により支配されている,尿中の糖の定性と定量,血液中の糖の定量は,疾患の診断,治療に不可欠の検査である。日常臨床化学検査における糖の検査として尿糖については別項にて解説されているのでここでは,血糖定量法について述べることにする。

酵素定量法

著者: 青島雄吾

ページ範囲:P.1309 - P.1316

はじめに
 生体は酵素のかたまりであり,生命現象の特徴の一つはその特異的な酵素系の働きにあるともいえよう。
 患者の病状を的確につかむということは,その患者体内の酵素系の機能変化を的確につかむということである。患者が今,病気であるということは,患者の中で異った代謝が行なわれているということであり,お互いに姿,かたちが異っていても,行なわれている代謝が正常範囲なら病気ではない。髪の色が赤いとか,皮膚が黒いとか,背が低いだけでは病気とはいえない。

基本情報

臨床検査

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN 1882-1367

印刷版ISSN 0485-1420

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