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雑誌目次

雑誌文献

臨床検査59巻13号

2015年12月発行

雑誌目次

今月の特集1 移植医療を支える臨床検査

著者: 山内一由

ページ範囲:P.1469 - P.1469

 改正臓器移植法が全面施行されて5年目を迎えました.移植医療にかかる期待はよりいっそう高まってきています.そんな期待の高まりに呼応するかのように,移植医療の技術は飛躍的な進歩を遂げています.最近では再生医療の技術が応用されるようになり,従来のドナーからレシピエントへという移植の概念を一変させつつあります.昨年9月に,iPS細胞由来の網膜色素上皮シートが加齢黄斑変性症の患者へ移植されたことは記憶に新しいところです.今後,移植医療と再生医療の融合は加速度的に進んでいくことが予想されます.移植医療を安全かつ確実に提供するためには,移植適応の可否あるいは移植の成否を判定する際など,さまざまな局面において臨床検査による手厚い支援が不可欠です.当然のことながら,臨床検査室の各スタッフは移植医療の現在を熟知し,その急速な進歩に追随した知識と技術を十分に備えておく必要があります.本特集がその参考となれば幸いです.

移植医療を支える臨床検査室・臨床検査技師

著者: 下平滋隆

ページ範囲:P.1470 - P.1475

Point

●「再生医療等の安全性の確保等に関する法律」および「医薬品,医療機器等の品質,有効性及び安全性の確保等に関する法律」のもとでは,再生医療等製品の製造管理および品質管理基準(GCTP)が適用される.

●日常診療として行われている造血細胞移植などにおける細胞処理では,院内製剤として品質を確保できることと,遡及調査ができることが重要である.

●臨床検査室および臨床検査技師は,時代に対応した専門の認定を得て,細胞治療管理,GCTPに従った細胞培養,品質検査や病理検査を含めた包括的な役割を果たしていくことが求められる.

同種造血幹細胞移植と臨床検査

著者: 外山高朗 ,   岡本真一郎

ページ範囲:P.1476 - P.1483

Point

●同種造血幹細胞移植の目的は,移植前に行われる全身放射線照射や大量化学療法に加えて,ドナー免疫によって腫瘍細胞を根絶し,正常な造血機能を回復することである.

●造血幹細胞移植には,自家/同種,骨髄/末梢血幹細胞/臍帯血といった種類があり,疾患や患者の状態によっていずれの方法を用いるかが決定される.

●同種移植では,ドナー造血幹細胞の生着/拒絶の確認のため,XY-FISH法やSTR-PCR法を用いたキメリズム解析が重要な役割を果たしている.

●造血器腫瘍を対象とした移植では微小残存病変(MRD)をモニタリングすることが重要であり,PCR法によるキメラ遺伝子の定量検査が広く用いられている.

腎移植と臨床検査

著者: 能勢知可子 ,   川端雅彦 ,   和田隆志

ページ範囲:P.1484 - P.1489

Point

●わが国の腎移植症例数は生体腎移植の増加によって年々,増加傾向にある.先行的腎移植例が生体腎移植の3割を占めている.

●術前にはレシピエント・ドナーの医学的適応基準や,ドナーに関する倫理指針に沿って腎移植の適否の判断がなされる.

●腎移植術後は,拒絶反応の抑制のため,免疫抑制療法を終生行う.日和見感染症の予防,免疫抑制薬のモニタリングが重要となる.

肝移植と臨床検査

著者: 石崎陽一 ,   川崎誠治

ページ範囲:P.1490 - P.1497

Point

●欧米では,肝移植の大半は脳死肝移植(CDLT)である.一方,わが国ではほとんどが生体肝移植(LDLT)であるため,脳死ドナーからの臓器提供を増加させることが今後の課題である.

●CDLTは全肝移植のため肝容積は十分であるが,LDLTでは術前のヴォリューメトリーによりグラフト肝容積(GV)を予想し,標準肝容積(SV)との比によって手術適応を決定する.

●移植後の肝動脈血栓症,門脈血栓症,肝静脈狭窄などの血管系合併症の診断にはドプラ超音波検査が有用である.

●移植後は拒絶反応を防ぐために免疫抑制薬を使用するので,移植時期に応じた適切な免疫抑制薬のモニターが重要である.

●移植後早期は高度の免疫抑制状態にあるため,周術期においては感染症に関して十分な注意が必要である.

肺移植と臨床検査

著者: 杉本誠一郎 ,   大藤剛宏 ,   三好新一郎

ページ範囲:P.1498 - P.1502

Point

●肺移植は終末期肺疾患に対する確立された治療法であり,当院の肺移植後5年生存率は約80%である.

●肺移植は,提供肺によって脳死肺移植と生体肺移植に,術式によって両肺移植・片肺移植・心肺同時移植に分類され,その適応判定には詳細な臨床検査が必要である.

●肺移植後の合併症には感染症,急性・慢性拒絶反応などがあり,定期検査によるモニタリングが重要である.

細胞治療と臨床検査

著者: 笠井泰成 ,   三浦康生 ,   前川平

ページ範囲:P.1504 - P.1509

Point

●再生医療や細胞治療の安全性を確保するためには,医薬品と同様に定められた基準に沿ってそれを評価しなければならない.

●再生医療や細胞治療は,新しい法の下で規制されるようになった.

●細胞や組織の特性に合った試験検査方法の開発が必要である.

●細胞や組織の機能評価試験など,新たな検査項目も必要となる.

今月の特集2 検査室が育てる研修医

著者: 山田俊幸

ページ範囲:P.1511 - P.1511

 チーム医療の一員として,検査室,検査技師はその能力を最大限に活用しなければなりません.生化学検査のデータ,顕微鏡観察の所見,超音波の画像,それぞれで気付いた所見は,医師を通して全て患者のために役立てられるべきです.日頃から,医師に対して積極的に“情報”や“判断”を発信するべきです.このことは医師に対する教育でもあります.本特集では,知識・経験とも浅い研修医に対する教育に積極的に取り組んでいる検査室,検査技師,検査専門医にその実態や考え方などを紹介していただきました.研修病院でなくても,たとえ検査専門施設であっても,臨床とのコミュニケーションに教育的要素を加えることは可能です.そういった視点で一読をいただければ幸いです.

生化学一般検査室が育てる研修医

著者: 米川修

ページ範囲:P.1512 - P.1518

Point

●検査室の仕事は,“情報の生産管理”である.“情報”とは,それを知ることによって,次にとるべき行動の正当性・有用性を保証するものである.また,とった行動の正当性・有用性を確認するものでもあり,それらを満たさないのは“真の情報”とはいえない.

●蛋白分画はイコールM蛋白の検出と思われがちであるが,多くの有益な情報を内在している.それを引き出して患者に還元するのが検査室の務めである.

●酵素アイソザイムも患者に役立つ情報を有している.その臨床的評価は,検査室から臨床側に提供できる有効な手段である.

●基本的検査を系統立てて解釈することで主要臓器の把握ができる.また,患者の病態の概要を把握することが可能となる.

超音波検査室が育てる研修医

著者: 恩田久孝 ,   仲広志

ページ範囲:P.1520 - P.1527

Point

●超音波検査は,音響学的知識や解剖学的知識のうえに,技術的な部分を織り合わせて画像に表現する分野である.

●医師といえども,研修医は画像診断までは精通していない.

●音響学的な基礎から,緊急時の検査であるRUSH & FASTの方法までの教育方法を述べる.

血液検査室が育てる研修医

著者: 津田勝代 ,   中村文彦

ページ範囲:P.1528 - P.1533

Point

●血液検査の過程を研修することによって,研修医は精度保証された検査の重要性を学ぶ.

●習得に時間がかかる血液形態観察の習得は,ディスカッション顕微鏡でのマンツーマン指導が早道である.

●研修医に対する指導が,指導を行う検査技師の知識・理解も深める.

輸血検査室が育てる研修医

著者: 村上純子

ページ範囲:P.1534 - P.1539

Point

●輸血検査(血液型判定・交差適合試験)は,厚生労働省の「臨床研修省令の内容及び具体的な運用基準」において,初期研修医が自ら実施し,結果を解釈できることが要求される項目であり,そのためには実習を行う必要がある.

●実習のゴールは,試験管法による血液型試験〔ABO血液型,Rh(D)型〕と交差適合試験を,ハンドアウトを参照しながら1人で実施することができるようになることである.

●当院の輸血検査研修プログラムの最終目標は,医師が“患者中心の輸血医療(PBM)”を行うチームの一員として,大きな責任を担っていることを自覚することである.

微生物検査・感染制御センターが育てる研修医

著者: 奥住捷子 ,   吉田敦 ,   福島篤仁 ,   岡本友紀 ,   鈴木弘倫 ,   蘇原由貴 ,   田中由美子 ,   早川千亜紀

ページ範囲:P.1540 - P.1545

Point

微生物検査と感染症診療は,どちらが欠けても患者の不利益になる.これと併せて,以下の点を研修医に学んでもらう.

●感染症診療の基本となる起因微生物検査とその薬剤感受性試験法を理解する.

●適切な検体採取法と採取時期が微生物検査の結果に反映する.

●培養法(使用培地,培養法と培養期間)や,培養によらない検出法の選択がある.

●微生物の検査は時間が掛かる場合が多い.経験ある検査技師は,作業の経過中でも推定菌名など判明できる.微生物検査技師と信頼関係を構築する.

●微生物検査は緊急対応が必要である.24時間・365日対応できない施設もある.Gram染色標本の判読などをできるようにしておく.

●感染制御・施設内での感染拡大防止には,自分自身の健康管理を含めチーム医療で取り組む.

病理検査室が育てる研修医

著者: 小倉加奈子 ,   青木裕志 ,   浅見志帆 ,   飯野瑞貴 ,   大谷未果 ,   阿部杏実 ,   坂口亜寿美 ,   松本俊治

ページ範囲:P.1546 - P.1549

Point

●病理検査室における研修医指導の基盤として,病理医と臨床検査技師の良好なコミュニケーションが必要不可欠である.

●病理医や上級の臨床検査技師だけが研修医の教育に当たるのではない.1年目の臨床検査技師であろうとも,積極的に研修医教育にかかわることが重要である.

●前期臨床研修医の病理診断科研修においては,病理検査全般の流れ,正しい検体提出方法,病理検査室内における医療安全について基礎的な知識を学ぶことを最低限の目標とする.

今月の表紙

緑茶(舌;糸状乳頭)

著者: 島田達生

ページ範囲:P.1468 - P.1468

 写真は,舌表面の走査電子顕微鏡像である.タケノコ状の糸状乳頭が密集している.乳頭は左から右に,すなわち口から咽頭に向かって傾いている.実は,舌には糸状乳頭のほかに,茸状乳頭,葉状乳頭,有廓乳頭の4種類の乳頭がある.糸状を除く他の乳頭には味の受容器である味蕾がある.それでは,糸状乳頭の働きは何であろうか? イヌの舌はもっとざらざらしており,糸状乳頭は人のそれよりもかなり長い.イヌは,長い舌と長い糸状乳頭を巧みに使って食べ物や水を挟み,それらを口腔から咽頭に送っている.さー! 君たちも手を使わずに,お皿に盛ったごはんを食べてみよう!

 糸状乳頭の基部を走査電子顕微鏡下で倍率を上げて見てみると,びっくり仰天.バクテリアの集塊がぎっしり埋まっている.昔の人は,食後に緑茶を飲んでいた.そこで,実験を試みた.緑茶は明らかに抗菌作用があり,食後にお茶を飲むと,乳頭基部のバクテリアが減少した.食後,緑茶を飲もう.さらに,うがいも明らかにバクテリア減少の効果があった.帰宅すると,まず手を洗ってうがいをしよう.

検査説明Q&A・12

尿沈渣と尿潜血反応の結果が乖離していますが(沈渣赤血球増加・尿潜血陰性,沈渣赤血球正常・尿潜血陽性),どのようなことが考えられますか?

著者: 田中真弓

ページ範囲:P.1551 - P.1553

■尿潜血検査

 尿潜血検査は主に血尿のスクリーニングとして行われる.尿中赤血球由来のヘモグロビンを化学的に検出するため,その測定原理から血尿,ヘモグロビン尿,ミオグロビン尿で陽性となる.

■尿潜血試験紙反応の測定原理

 尿潜血試験紙の測定原理は,ヘモグロビンのペルオキシダーゼ(peroxidase:POD)様活性を用いている(図1)1).尿試験紙には過酸化物と色原体が含まれており,試薬の過酸化物は尿ヘモグロビン鉄のPOD様活性によって活性酸素を遊離する.この活性酸素によって無色の還元型色原体が酸化され,青色の酸化型色原体となる.試薬組成は各試験紙メーカーによって異なり,黄色系色素をベースに使用しているものは緑色の呈色変化となる.

検査レポート作成指南・4

脳波検査編

著者: 丸田雄一 ,   藤井正美

ページ範囲:P.1554 - P.1564

 1929年にハンス・ベルガーによって臨床応用された脳波検査は徐々に進化を遂げ,現在でも有用な検査法であり続けている.脳波検査は当初のペン書き脳波の時代を経て,1990年以降はデジタル脳波が普及し,検査法に革新的な恩恵をもたらしている.わが国では“ハイブリッド脳波計”と称して,デジタル脳波を電子媒体に保存しながら,同時に紙書き記録を判読用に提供できるシステムを用いる施設が主流であった.

 しかし,現在はペーパーレスデジタル脳波計での記録が推奨されている.その理由として,①記録中に測定条件を変更する必要がなく,記録が簡単になること,②判読に際してモンタージュ・感度・フィルターが自在に変更でき,判読技能の向上や効率化につながること,③二次処理によって視察以上の検討が可能となったこと,が挙げられる.また,病院内のサーバーコンピューターに脳波データを入力すれば,どこからでも脳波を判読し,レポートを作成することが可能である.さらにビデオもデジタル化できるため,一緒に動画データも保存すれば,判読時に有用である.

 本稿では,デジタル脳波の判読に適したレポートの作成について指南する.

遺伝医療ってなに?・12【最終回】

医科学は医療を変え,ゲノム科学は社会を変える

著者: 櫻井晃洋

ページ範囲:P.1566 - P.1567

この連載も今回で最後になった.遺伝医療を総括するような話題を,とは思うものの,これがなかなか難しいので,少し脇道から入ることにする.

 医学の歴史に関する本を読むのが好きで,時々手に取ってみるが,西洋医学はルネサンス以降の新しい時代の到来まで,ほぼ2千年近くの間ほとんど進歩しなかった.解剖学では2世紀にまとめられたガレノスのテキストが1千年以上にわたって用いられていたし,教会が社会を支配するなかでは,男性の肋骨を女性より1本少なく描かないだけで異端審問に問われるような時代もあった.いわば,社会(教会)が医学を支配していた時代といえる.ルネサンスの到来によって解剖学や生理学では徐々に科学としての医学が芽生え,さらに予防医学の概念も生まれるに至ったが,その一方で,ヒポクラテスの四体液説に源を発する瀉血が19世紀でもまだ通常の医療のなかで行われ,結果としてジョージ・ワシントンをはじめ多くの人の命を救うどころか死を早めてしまった.

 近代医学の発展は19世紀後半の病原微生物の発見に始まり,20世紀に入って飛躍的な進歩を遂げたが,それを可能にしたのは診断治療に用いる医用機器の進歩,新しい治療薬の開発,生化学的指標の定量化を可能にした検査医学の進歩などであった.つまり,当たり前のことのようだが,医科学の発展が医療の変革を実現したのである.

元外科医のつぶやき・12

入院から手術まで

著者: 中川国利

ページ範囲:P.1568 - P.1568

 入院前日に,遠隔地にある両親の墓参りに行った.健康な体を与えてくれたことに感謝するとともに,64歳にして前立腺癌に罹患したことをわびた.また,手術が無事に終わるように両親を含むご先祖さまに祈願した.

 指定された日時に,妻と大学病院に向かった.手術は息子たちにも伝えていなかったが,眼科医として勤める息子に病院のエントランスでたまたま出会った.仕事をしているはずの私が妻と連れ立って病院になぜいるのか,息子は不思議がった.そこで,前立腺癌で手術をすることを話したら,大いに心配した.

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「検査と技術」12月号のお知らせ

ページ範囲:P.1483 - P.1483

バックナンバー一覧

ページ範囲:P.1518 - P.1518

書評 みるトレ 感染症

著者: 岸田直樹

ページ範囲:P.1569 - P.1569

見えない敵と戦うために

 感染症は目に見えない微生物との戦いだ.肺炎,尿路感染症,そして風邪.よく出会う感染症も,肉眼ではその微生物は残念ながら見えない.たまに「自分の手にはMRSAは絶対に付いていないから」と感染対策の場面に限って見えるかのように言う先生がいらっしゃるが,肉眼的には黄色ブドウ球菌どころか感受性なんてさらに見えやしないので注意したい.

書評 実践! 皮膚病理道場—バーチャルスライドでみる皮膚腫瘍[Web付録付]

著者: 鶴田大輔

ページ範囲:P.1570 - P.1570

革命的な書籍,時空を超えた学習ツール

 バーチャルスライドを利用した『実践! 皮膚病理道場 バーチャルスライドでみる皮膚腫瘍[Web付録付]』を強く推薦する.時空を超えた新時代の学習ツールであるからである.

 初めてバーチャルスライドを体験したのは,2年前に日本皮膚病理組織学会が主催する「皮膚病理道場あどばんすと」にチューターとして参加したときである.とにかく驚いた.なんと楽しいのだろう! 顕微鏡がなくても,コンピューター上で,自分の見たいところを自由自在に心ゆくまで見ることができ,いつでもどこでも病理組織の学習ができるのである.例えば,腫瘍を構成する個々の細胞において,核と細胞質の形態をじっくり見ることができる.「この腫瘍の構成細胞の核の形態は? 核小体の見え方は? 胞体の色は? 大きさは?」などを目に焼き付けることができる.また,そのときに学んだものをいつでもどこでも,顕微鏡がなくても繰り返し復習できるのである.バーチャルスライドがあれば,学習は時空を超えるのである!

書評 糖尿病に強くなる!—療養指導のエキスパートを目指して

著者: 森谷敏夫

ページ範囲:P.1571 - P.1571

療養支援のノウ・ハウが,ぎっしり満載!

 このユニークで,しかもほぼ全ての糖尿病療養指導に必要な項目が網羅されている本を編集された桝田出先生とは,京都大学附属病院第二内科で当時の主任教授をされていた中尾一和先生のもとで運動療法に関する共同研究を開始した時からのお付き合いである.もう,30年近くになる.桝田先生は心臓循環器系のエキスパートで,その手腕を買われて東京慈恵会医科大学から京大第二内科に来られた経緯がある.その後は民間のJT専売病院を経て,現在は,武田病院健診センター所長としてご活躍である.基礎研究,臨床応用,健診業務など実に幅広い経験を持たれた先生であり,現場のニーズを肌で感じ,この素晴らしい本ができあがった背景もそこにあるだろう.執筆を担当された先生方も京大医学部の専門医をはじめ,糖尿病療養指導に直接かかわっておられる先生方で構成されている.

次号予告

ページ範囲:P.1573 - P.1573

あとがき

著者: 山田俊幸

ページ範囲:P.1574 - P.1574

 本号の特集のテーマは,“移植医療”と“研修医”で,偶然にも“チーム医療”が共通したキーワードになります.

 移植は最もチーム力が求められるもので,検査室は24時間体制で手術と副作用に備えなければなりません.20何年か前,1例目の腎移植があるからと,クレアチニンなどの生化学項目の時間外検査(当時は24時間体制ではなかった)やシクロスポリンの血中濃度測定などが導入され,それがきっかけで検査室業務が拡大されたことを懐かしく思い出します.

「臨床検査」 第59巻 総目次

ページ範囲:P. - P.

基本情報

臨床検査

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN 1882-1367

印刷版ISSN 0485-1420

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